命題II-13
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題II-13 鋭角三角形において、鋭角に対する辺上の正方形は、その鋭角を挟む二辺上の正方形の和より、鋭角を挟む一つの辺とその辺へ下ろされた垂線により分割される部分の積である長方形の二倍だけ小さい。
作成:2006-08-08
更新:2011-03-10

命題II-13

Ἐν τοῖς ὀξυγωνίοις τριγώνοις τὸ ἀπὸ τῆς τὴν ὀξεῖαν γωνίαν ὑποτεινούσης πλευρᾶς τετράγωνον ἔλαττόν ἐστι τῶν ἀπὸ τῶν τὴν ὀξεῖαν γωνίαν περιεχουσῶν πλευρῶν τετραγώνων τῷ περιεχομένῳ δὶς ὑπό τε μιᾶς τῶν περὶ τὴν ὀξεῖαν γωνίαν, ἐφ᾽ ἣν ἡ κάθετος πίπτει, καὶ τῆς ἀπολαμβανομένης ἐντὸς ὑπὸ τῆς καθέτου πρὸς τῇ ὀξείᾳ γωνίᾳ.
 鋭角三角形において、鋭角に対する辺上の正方形は、その鋭角を挟む二辺上の正方形の和より、鋭角を挟む一つの辺とその辺へ下ろされた垂線により分割される部分の積である長方形の二倍だけ小さい。
c⊗c = a⊗a + b⊗b - 2(b⊗d)
 ABCを、角Bが鋭角であるような鋭角三角形とする。ADをAからBCへ下ろした垂線とする[命題I-12]。このとき、AC上の正方形はCBとAB上の正方形の和より、CBとBDの積である長方形の二倍だけ小さいと主張する。
 直線CBが点Dで分割されているから、CBとBD上の正方形の和は、CBとBDの積である長方形の二倍とDC上の正方形の和に等しい[命題II-7]。DA上の正方形を両方に加えると、CB、BD、DA上の正方形の和は、CBとBDの積である長方形の二倍とADとDC上の正方形の和に等しい。ここで、角Dは直角であるからBDとDA上の正方形の和はAB上の正方形に等しく[命題I-47]、AC上の正方形はADとDC上の正方形の和に等しい[命題I-47]。したがって、CB、BA上の正方形の和は、AC上の正方形の和とCBとBDの積である長方形の二倍に等しい。これはAC上の正方形はCBとBA上の正方形の和より、CBとBDの積である長方形の二倍だけ小さいことを意味している。
 ゆえに、鋭角三角形において、鋭角に対する辺上の正方形は、その鋭角を挟む二辺上の正方形の和より、鋭角を挟む一つの辺とその辺へ下ろされた垂線により分割される部分の積である長方形の二倍だけ小さい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888