命題V-2
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-2 六つの量の組において、一項と三項がそれぞれ二項と四項の等倍の倍量であり、五項と六項がそれぞれ二項と四項の等倍の倍量であれば、一項と五項の和と三項と六項の和はそれぞれ二項と四項の等倍の倍量である。
作成:2006-09-19
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題V-2
Ἐὰν πρῶτον δευτέρου ἰσάκις ᾖ πολλαπλάσιον καὶ τρίτον τετάρτου, ᾖ δὲ καὶ πέμπτον δευτέρου ἰσάκις πολλαπλάσιον καὶ ἕκτον τετάρτου, καὶ συντεθὲν πρῶτον καὶ πέμπτον δευτέρου ἰσάκις ἔσται πολλαπλάσιον καὶ τρίτον καὶ ἕκτον τετάρτου.六つの量の組において、一項と三項がそれぞれ二項と四項の等倍の倍量であり、五項と六項がそれぞれ二項と四項の等倍の倍量であれば、一項と五項の和と三項と六項の和はそれぞれ二項と四項の等倍の倍量である。
六つの量の組(mα,α,mβ,β,nα,nβ), m,n∈ℕについて、次が成り立つ。
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一項ABと三項DEがそれぞれ二項Cと四項Fの等倍の倍量であるとし、五項BGと六項EHがそれぞれ二項と四項の等倍の倍量であるとしたとき、一項と五項の和AGと三項と六項の和DHはそれぞれ二項Cと四項Fの等倍の倍量であると主張する。
AB、DEはC、Fの等倍の倍量であるから、ABにおけるCの倍数とDEにおけるFの倍数は等しい。同じ理由で、BGにおけるCの倍数とEHにおけるFの倍数は等しい。したがって、AG全体に含まれるCの数と、DH全体に含まれるFの数は等しい。よって、一項と五項の和AGと三項と六項の和DHはそれぞれ二項Cと四項Fの等倍の倍量である。
ゆえに、六つの量の組において、一項と三項がそれぞれ二項と四項の等倍の倍量であり、五項と六項がそれぞれ二項と四項の等倍の倍量であれば、一項と五項の和と三項と六項の和はそれぞれ二項と四項の和の等倍の倍量である。これが証明すべきことであった。
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888