命題V-6
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-6 二量が別の二量の等倍で、前二者から取り去られる二量が後二者の等倍であれば、取り去った残りの二量は後二者に等しいか等倍である。
作成:2006-09-22
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題V-6
Ἐὰν δύο μεγέθη δύο μεγεθῶν ἰσάκις ᾖ πολλαπλάσια, καὶ ἀφαιρεθέντα τινὰ τῶν αὐτῶν ἰσάκις ᾖ πολλαπλάσια, καὶ τὰ λοιπὰ τοῖς αὐτοῖς ἤτοι ἴσα ἐστὶν ἢ ἰσάκις αὐτῶν πολλαπλάσια.二量が別の二量の等倍で、前二者から取り去られる二量が後二者の等倍であれば、取り去った残りの二量は後二者に等しいか等倍である。
二つの量α,βと任意の自然数m,n∈ℕについて次が成り立つ。
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二量AB、CDが別の二量E、Fの等倍で、前二者から取り去られる二量AG、CHが後二者E、Fの等倍であれば、取り去った残りの二量GB、HDは後二者E、Fに等しいか等倍であると主張する。
まず最初に、GBがEに等しい場合はHDはFに等しいと主張する。
CKをFに等しいとする。AG、CHはE、Fの等倍であり、GBがEに等しく、KCがFに等しいから、AB、KHはE、Fの等倍である[命題V-2]。AB、CDはE、Fの等倍であったから、KH、CDはFの等倍であり、KHはCDに等しい。両方からCHを取り去れば、残りのKHとHDは等しい。ここで、FはKCに等しいから、HDもFに等しい。したがって、GBがEに等しければ、HDはFに等しい。
同じようにして、GBがEの倍量であれば、HDは同じ倍数のFの倍量である。
ゆえに、二量が別の二量の等倍で、前二者から取り去られる二量が後二者の等倍であれば、取り去った残りの二量は後二者に等しいか等倍である。これが証明すべきことであった。
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888