命題I-6
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-6 三角形の二つの角が等しいならば、それらに対する二つの辺も互いに等しい。
作成:2006-07-14
更新:2011-03-10

命題I-6

Ἐὰν τριγώνου αἱ δύο γωνίαι ἴσαι ἀλλήλαις ὦσιν, καὶ αἱ ὑπὸ τὰς ἴσας γωνίαις ὑποτείνουσαι πλευραὶ ἴσαι ἀλλήλαις ἔσονται.
 三角形の二つの角が等しいならば、それらに対する二つの辺も互いに等しい。
 三角形ABCにおいて角ABCと角ACBが等しいものとする。このとき、辺ABが辺ACに等しいと主張する。
 もしABがACと等しくなければどちらかが長いことになる。ABがACより長いとすれば、ACと同じ長さの直線DBを切り取ることができる[命題I-3]。このとき、直線DCを引く[公準P-1]。
 DBはACと等しく、BCを共有しているから、DB、BCとAC、CBの二辺がそれぞれ等しく、角DBCと角ACBが等しい。よって、底辺DCはABと等しく、三角形DBCと三角形ACBは等しい[命題I-4]。これは小さいものと大きいものが等しいことになり矛盾である[公理A-5]。したがって、ABとACは等しい。
 ゆえに、三角形の二つの角が等しいならば、それらに対する二つの辺も互いに等しい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888