命題I-19
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-19 任意の三角形において、より大きい角に対する辺の方がより大きい。
作成:2006-07-17
更新:2011-03-10

命題I-19

Παντὸς τριγώνου ὑπὸ τὴν μείζονα γωνίαν ἡ μείζων πλευρὰ ὑποτείνει.
 任意の三角形において、より大きい角に対する辺の方がより大きい。
 三角形ABCにおいて角ABCが角BCAより大きいものとする。このとき、辺ACが辺ABよりも大きいと主張する。
 もし辺ACが辺ABと等しいか、あるいはより小さいと仮定する。辺ACと辺ABが等しければ、角ABCと角ACBが等しいことになるから[命題I-5]、辺ACと辺ABは等しくはない。さらに辺ACはABよりも小さいとすれば、角ABCは角ACBよりも小さくなるから[命題I-18]、辺ACは辺ABよりも小さくはない。したがって、ACはABより小さくなく、等しくもない。よってACはABより大きい。
 ゆえに、任意の三角形において、より大きい角に対する辺の方がより大きい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888