命題VI-18
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題VI-18 与えられた直線図形に相似で、相似に置かれた直線図形を与えられた直線上に描くこと。
作成:2006-12-28
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題VI-18
Ἀπὸ τῆς δοθείσης εὐθείας τῷ δοθέντι εὐθυγράμμῳ ὅμοιόν τε καὶ ὁμοίως κείμενον εὐθύγραμμον ἀναγράψαι.与えられた直線図形に相似で、相似に置かれた直線図形を与えられた直線上に描くこと。
ABを与えられた直線、CEを与えられた直線図形とする。直線図形CEに相似で、相似に置かれた直線図形を直線AB上に描くことが求められている。
DFを結び、直線AB上の点A、Bから角Cに等しい角GAB、角CDFに等しい角ABGを作図する[命題I-23]。残りの角CFDは残りの角AGBに等しい[命題I-32]。よって、三角形FCDは三角形GABに等角であり、各辺は比例し、FD対GB、FC対GA、CD対ABは等しい[命題VI-4]。
同じことを繰り返して、直線BG上の点G、Bから角BGHを角DFEに等しく、角GBHを角FDEに等しくなるように作図する[命題I-23]。残りの角Eは残りの角Hに等しい[命題I-32]。よって、三角形FDEは三角形GHBに等角であり、各辺は比例し、FD対GB、FE対GH、ED対HBは等しい[命題VI-4]。FD対GB、FC対GA、CD対ABが等しいことはすでに示されているから、FC対AG、CD対AB、FE対GH、ED対HBは等しい。角CFDは角AGBに、角DFEは角BGHに等しいから、全体の角CFEは全体の角AGHに等しい。同じ理由により、角CDEは角ABHに等しい。角Cは角Aに等しく、角Eは角Hに等しいから、直線図形AHは直線図形CEに等角である。そして等しい角を挟む辺が比例する。したがって、直線図形AHは直線図形CEに相似である[定義DVI-1]。
ゆえに、与えられた直線図形CEに相似で、相似に置かれた直線図形AHを与えられた直線AB上に描くことができた。これが求められていることであった。
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888