命題I-38
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-38 底辺の長さが等しく、同じ平行線に挟まれている三角形の面積は等しい。
作成:2006-07-23
更新:2011-03-10

命題I-38

Τὰ τρίγωνα τὰ ἐπὶ ἴσων βάσεων ὄντα καὶ ἐν ταῖς αὐταῖς παραλλήλοις ἴσα ἀλλήλοις ἐστίν.
 底辺の長さが等しく、同じ平行線に挟まれている三角形の面積は等しい。
 ABCとDEFを等しい底辺BCとEFをもち、同じ平行線BFとADに挟まれている三角形とする。このとき三角形ABCとDEFの面積が等しいと主張する。
 ADをGとHの両方向に延長し、BGがCAと、FHがDEと平行になるようにする[命題I-31]。そうするとGBCAとDEFHは面積が等しい平行四辺形となる。なぜならば、等しい底辺BCとEFをもち、同じ平行線BFとGHに挟まれているからである[命題I-36]。ここで、三角形ABCは対角線ABにより二等分されるため平行四辺形GBCAの半分であり、三角形FEDは対角線DFにより二等分されるため平行四辺形DEFHの半分である[命題I-34]。同じものの半分どうしはまた同じであるから、三角形ABCと三角形DEFの面積は等しい。
 ゆえに、底辺の長さが等しく、同じ平行線に挟まれている三角形の面積は等しい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888