命題V-4
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-4 四つの量の組において、一項対二項と三項対四項が同じ比をもつとき、一項と三項、二項と四項をそれぞれどのように等倍しても、同じ比をもつ。
作成:2006-09-21
更新:2011-03-10

命題V-4

Ἐὰν πρῶτον πρὸς δεύτερον τὸν αὐτὸν ἔχῃ λόγον καὶ τρίτον πρὸς τέταρτον, καὶ τὰ ἰσάκις πολλαπλάσια τοῦ τε πρώτου καὶ τρίτου πρὸς τὰ ἰσάκις πολλαπλάσια τοῦ δευτέρου καὶ τετάρτου καθ᾽ ὁποιονοῦν πολλαπλασιασμὸν τὸν αὐτὸν ἕξει λόγον ληφθέντα κατάλληλα.
 四つの量の組において、一項対二項と三項対四項が同じ比をもつとき、一項と三項、二項と四項をそれぞれどのように等倍しても、同じ比をもつ。
 四つの量の組(α,β,γ,δ)と任意の自然数m,n∈ℕについて次が成り立つ。
α:β = γ:δ ⇒ mα:nβ = mγ:nδ
 A対BがC対Dに等しいとする。E、FをそれぞれA、Cの等倍、G、HをそれぞれB、Dの別の等倍とすれば、E対GはF対Hに等しいと主張する。
 K、LをそれぞれE、Fの等倍、M、NをそれぞれG、Hの別の等倍とする。
 E、FはそれぞれA、Cの等倍で、K、LはそれぞれE、Fの等倍であるから、K、LはそれぞれA、Cの等倍である[命題V-3]。同じ理由で、M、NはそれぞれB、Dの等倍である。A対BがC対Dに等しく、K、LがそれぞれA、Cの等倍であり、M、NはそれぞれB、Dの別の等倍であるから、もしKがMより大きければ、LもNより大きく、等しければ等しく、より小さければより小さい[定義DV-5]。K、LをそれぞれE、Fの等倍、M、NをそれぞれG、Hの別の等倍であったから、E対GはF対Hに等しい[定義DV-5]。
 ゆえに、四つの量の組において、一項対二項と三項対四項が同じ比をもつとき、一項と三項、二項と四項をそれぞれどのように等倍しても、同じ比をもつ。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888