命題III-13
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題III-13 二つの円は内接するときも外接するときも一つより多い点で接することはない。
作成:2006-09-06
更新:2011-03-10

命題III-13

Κύκλος κύκλου οὐκ ἐφάπτεται κατὰ πλείονα σημεῖα ἢ καθ᾽ ἕν, ἐάν τε ἐντὸς ἐάν τε ἐκτὸς ἐφάπτηται.
 二つの円は内接するときも外接するときも一つより多い点で接することはない。
 そうではないと仮定して、円ABDCが円EBFDと二点DとBで内接するとしよう。
 円ABDCの中心Gと円EBFDの中心Hを作図することができる[命題III-1]。
 GとHを結ぶ直線上にBとDがある[命題III-11]。図のBGHDのように直線上に並ぶものとする。点Gは円ABDCの中心であるから、BGはGDに等しい。したがって、BGはHDより大きく、BHはさらにHDより大きくなる。しかし、本来同じであるものが大きいことになって矛盾である。よって、円は一つより多い点で内接することはない。
 さらに、円は一つより多い点で外接することはないと主張する。
 そうではないと仮定して、円ACKが円ABDCと二点AとCで外接するとしよう。AとCを結ぶ。
 二点AとCは円ABDCとACKの円周上にあるから、それらを結んだ直線は各々の円の内部に含まれる[命題III-2]。しかし、これはABDCの内部にあり、かつACKの外部にある[定義DIII-3]。これは矛盾である。したがって、円は一つより多い点で外接することはない。
 ゆえに、二つの円は内接するときも外接するときも一つより多い点で接することはない。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888