命題I-1
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-1 与えられた直線を一辺とする正三角形を作図すること。
作成:2006-07-12
更新:2011-03-10

命題I-1

Ἐπὶ τῆς δοθείσης εὐθείας πεπερασμένης τρίγωνον ἰσόπλευρον συστήσασθαι.
 与えられた直線を一辺とする正三角形を作図すること。
 ABを与えられた直線とする。
 このとき、ABを一辺とする正三角形を作図することが求められている。
 Aを中心とし、ABを半径とする円BCDを描く[公準P-3]。次にBを中心とし、BAを半径とする円ACEを描く[公準P-3]。そして二つの円の交点CとAとBを結ぶ直線CAとCBを描く[公準P-1]。
 点Aは円CDBの中心であるから、ACはABと等しい[定義DI-15]。また点Bは円CAEの中心であるから、BCとBAは等しい[定義DI-15]。CAはABと等しかったから、CAとCBは共にABと等しい。同じものに等しいものは互いに等しかったから[公理A-1]、CAはCBに等しく、CA、AB、BCの三辺はすべて互いに等しい。
 ゆえに、三角形ABCは正三角形であり、与えられた直線ABから作図されたものである。これが求められていたことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888