命題I-15
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-15 二つの直線が交わるとき、その対頂角は互いに等しい。
作成:2006-07-16
更新:2011-03-10

命題I-15

Ἐὰν δύο εὐθεῖαι τέμνωσιν ἀλλήλας, τὰς κατὰ κορυφὴν γωνίας ἴσας ἀλλήλαις ποιοῦσιν.
 二つの直線が交わるとき、その対頂角たいちょうかく, κορυφὴν γωνίας, vertical angleは互いに等しい。
 二つの直線ABとCDが点Eで交わるものとする。このとき、角AECとDEB、CEBとAEDが等しいと主張する。
 直線AEは直線CD上に立ち、角CEAとAEDを作っているからこれらの和は二直角に等しい[命題I-13]。直線DEは直線AB上に立ち、角AEDとDEBを作っているからこれらの和は二直角に等しい[命題I-13]。角CEAとAEDも二直角に等しいから、角CEAとAEDの和は角AEDとDEBの和に等しい[公理A-1]。両方からAEDを引くことのよって、それらの残りCEAとBEDが等しいことがわかる[公理A-3]。同様にしてCEBとDEAもまた等しいことがわかる。
 ゆえに、二つの直線が交わるとき、その対頂角は互いに等しい。これが証明すべきことであった。
数  学
対頂角 たいちょうかく, κορυφὴν γωνίας, vertical angle
 
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888