命題VI-17
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題VI-17 三つの直線が比例するとき、その外項の積である長方形は中項の上の正方形に等積である。逆に外項の積である長方形が中項の上の正方形に等積であれば、三つの直線は比例する。
作成:2006-12-27
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題VI-17
Ἐὰν τρεῖς εὐθεῖαι ἀνάλογον ὦσιν, τὸ ὑπὸ τῶν ἄκρων περιεχόμενον ὀρθογώνιον ἴσον ἐστὶ τῷ ἀπὸ τῆς μέσης τετραγώνῳ: κἂν τὸ ὑπὸ τῶν ἄκρων περιεχόμενον ὀρθογώνιον ἴσον ᾖ τῷ ἀπὸ τῆς μέσης τετραγώνῳ, αἱ τρεῖς εὐθεῖαι ἀνάλογον ἔσονται.三つの直線が比例するとき、その外項の積である長方形は中項の上の正方形に等積である。逆に外項の積である長方形が中項の上の正方形に等積であれば、三つの直線は比例する。
A、B、Cを三つの直線とし、A対BがB対Cに等しいと仮定する。このとき、AとCの積である長方形はB上の正方形に等積であると主張する。
DをBに等しい直線とする[命題I-3]。
A対BはB対Cに等しく、BはDに等しいから、A対BはD対Cに等しい。四つの直線が比例するとき、その外項の積である長方形は内項の積である長方形に等積であるから[命題VI-16]、AとCの積である長方形は、BとDの積である長方形に等積である。ここで、BとDの積である長方形はB上の正方形に他ならない。したがって、AとCの積である長方形は、B上の正方形に等積である。
次にAとCの積である長方形がB上の正方形に等積であると仮定しよう。このとき、A対BはB対Cに等しいと主張する。
同じ図において、AとCの積である長方形がB上の正方形に等積であり、BはDに等しいから、B上の正方形はBとDの積である長方形である。よって、AとCの積である長方形はBとDの積である長方形に等積である。外項の積である長方形が内項の積である長方形に等積であれば、四つの直線は比例するから[命題VI-16]、A対BはD対Cに等しい。したがって、A対BはB対Cに等しい。
ゆえに、三つの直線が比例するとき、その外項の積である長方形は中項の上の正方形に等積である。逆に外項の積である長方形が中項の上の正方形に等積であれば、三つの直線は比例する。これが証明すべきことであった。
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888