命題I-45
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-45 与えられた直線角を一つの角とし、与えられた直線図形と同じ面積の平行四辺形を作図すること。
作成:2006-07-27
更新:2011-03-10

命題I-45

Τῷ δοθέντι εὐθυγράμμῳ ἴσον παραλληλόγραμμον συστήσασθαι ἐν τῇ δοθείσῃ γωνίᾳ εὐθυγράμμῳ.
 与えられた直線角を一つの角とし、与えられた直線図形と同じ面積の平行四辺形を作図すること。
 ABCDを与えられた直線図形とし、Eを与えられた直線角とする。このとき、角Eを一つの角とし、多辺形ABCDと同じ面積の平行四辺形を作図することが求められている。
 DBを結び、平行四辺形FHを、面積が三角形ABDに等しく、角HKFがEに等しいように作図する[命題I-42]。そして、平行四辺形GMを、面積が三角形DBCに等しく、角Eに等しい角GHMの直線GHを一辺とするように作図する[命題I-44]。角EはHKFとGHMに等しいから、角HKFはGHMに等しい。両方にKHGを加えると、FKHとKHGの和はKHGとGHMの和に等しいが、FKHとKHGの和は二直角である[命題I-29]。したがって、KHGとGHMの和も二直角に等しい。二つの直線KHとHMにより作られる直線GH上の点Hにおいて隣り合う角の和が二直角になるので、KHとHMは同一直線上にある[命題I-14]。そして、直線HGは平行線KMとFGと交わるから錯角MHGとHGFは互いに等しい[命題I-29]。両方にHGLを加えると、MHGとHGLの和はHGFとHGLの和に等しいが、MHGとHGLの和は二直角に等しいから[命題I-29]、HGFとHGLの和も二直角に等しい。したがって、FGとGLは同一直線上にある[命題I-14]。FKはこれに平行なHGに等しく、HGもMLに等しいから[命題I-34]、KFはMLと平行で等しい[命題I-30]。そして、直線KMとFLはそれらを結んでいるから、平行で等しい[命題I-33]。したがって、KFLMは平行四辺形であり、三角形ABDの面積は平行四辺形FHに、三角形DBCの面積は平行四辺形GMに等しいから、全体の多辺形ABCDの面積は全体の平行四辺形KFLMの面積に等しい。
 ゆえに、平行四辺形KFLMの面積は与えられた多辺形ABCDの面積に等しく、一つの角FKMは与えられた角Eに等しい。これが求められていたことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888