命題V-25
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-25 比例している四つの量において、最大量と最小量の和は残りの二つの和より大きい。
作成:2006-10-20
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題V-25
Ἐὰν τέσσαρα μεγέθη ἀνάλογον ᾖ, τὸ μέγιστον [αὐτῶν] καὶ τὸ ἐλάχιστον δύο τῶν λοιπῶν μείζονά ἐστιν.比例している四つの量において、最大量と最小量の和は残りの二つの和より大きい。
四つの量α,β,γ,δにおいて、αが最大量、δが最小量であるとき、次が成り立つ。
α:β = γ:δ ⇒ α+δ > β+γ |
AB、CD、E、Fを比例している四つの量、すなわち、AB対CDがE対Fに等しいとする。さらにABが最大量で、Fが最小量であるとする。このとき、ABとFの和はCDとEの和より大きいと主張する。
AGをEと、CHはFと等しくなるようにとる。
AB対CDはE対Fに等しく、EはAGと、FはCHと等しいから、AB対CDはAG対CHに等しい。二つの量の比がそれらの部分の比に等しいとき、全体から部分を取り去った量の比もそれに等しいから[命題V-19]、AB、CDからそれぞれAG、CHを取り去れば、GB対HDはAB対CDに等しい。ABはCDより大きいから、GBはHDより大きい。AGはEに等しく、CHはFに等しい。したがって、AGとFの和はCHとEの和に等しい。GBはHDより大きいから、AGとFの和にGBを加えたものは、CHとEの和にHDを加えたものより大きい。すなわち、ABとFの和はCDとEの和より大きい。
ゆえに、比例している四つの量において、最大量と最小量の和は残りの二つの和より大きい。これが証明すべきことであった。
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888