命題I-42
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-42 与えられた直線角を一つの角とし、与えられた三角形と同じ面積をもつ平行四辺形を作図すること。
作成:2006-07-24
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題I-42
Τῷ δοθέντι τριγώνῳ ἴσον παραλληλόγραμμον συστήσασθαι ἐν τῇ δοθείσῃ γωνίᾳ εὐθυγράμμῳ.与えられた直線角を一つの角とし、与えられた三角形と同じ面積をもつ平行四辺形を作図すること。
ABCを与えられた三角形、Dを与えられた直線角とする。三角形ABCと同じ面積をもち、直線角Dを一つの角とする平行四辺形を作図することが求められている。
BCを二等分する点をEとし[命題I-10]、AEを結ぶ。EC上のEから角Dに等しい角CEFを作図する[命題I-23]。AからECに平行な直線AGを引く[命題I-31]。CGをCからEFと平行になるように引く[命題I-31]。FECGは平行四辺形でBEとECは等しいから、三角形ABEの面積はAECの面積に等しい。なぜならば、底辺BEとECが等しく、同じ平行線BCとAGに挟まれているからである[命題I-38]。したがって、三角形ABCの面積は、三角形AECの面積の二倍である。そして、平行四辺形FECGもまた、三角形AECの面積の二倍である。なぜならば、底辺を共有し、同じ平行線に挟まれているからである[命題I-41]。したがって、平行四辺形FECGの面積と三角形ABCの面積は等しく、角CEFは角Dに等しい。
ゆえに、平行四辺形FECGは与えられた三角形ABCと同じ面積をもち、角CEFは角Dに等しい。これが求められていたことであった。
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888