命題III-19
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題III-19 直線が円に接しているとき、接点から垂直に引かれた直線上に中心がある。
作成:2006-09-08
更新:2011-03-10

命題III-19

Ἐὰν κύκλου ἐφάπτηταί τις εὐθεῖα, ἀπὸ δὲ τῆς ἁφῆς τῇ ἐφαπτομένῃ πρὸς ὀρθὰς [γωνίας] εὐθεῖα γραμμὴ ἀχθῇ, ἐπὶ τῆς ἀχθείσης ἔσται τὸ κέντρον τοῦ κύκλου.
 直線が円に接しているとき、接点から垂直に引かれた直線上に中心がある。
 直線DEが点Cで円ABCに接しているとする。CAをCからDEに直角に立てる[命題I-11]。このとき、AC上に円の中心があると主張する。
 そうでないと仮定して、Fを円の中心とし、CFを結ぶ。
 直線DEは円ABCに接しているから、FCは中心から接点へ引かれていることから、DEに垂直である[命題III-18]。すなわち、角FCEは直角である。角ACEも直角であるから、FCEとACEは等しくなり、小さいものが大きいものと等しいことになり矛盾である。したがって、Fは円ABCの中心ではない。同じようにしてAC上にないすべての点が中心になり得ないことを示すことができる。
 ゆえに、直線が円に接しているとき、接点から垂直に引かれた直線上に中心がある。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888