命題IV-1
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題IV-1 円とその直径より長くない直線が与えられたとき、その直線と等しい直線をその円に差し合わせること。
作成:2006-09-14
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題IV-1
Εἰς τὸν δοθέντα κύκλον τῇ δοθείσῃ εὐθείᾳ μὴ μείζονι οὔσῃ τῆς τοῦ κύκλου διαμέτρου ἴσην εὐθεῖαν ἐναρμόσαι.円とその直径より長くない直線が与えられたとき、その直線と等しい直線をその円に差し合わせること。
ABCを与えられた円、Dを与えられた直線とする。DはABCの直径より長くない。このとき、直線Dを円ABCに差し合わせることが求められている。
円ABCの直径BCを引く。BCがDに等しければ、すでに目的は達せられている。BCがDより大きいとき、CEをDと等しくなるようにとる[命題I-3]。Cを中心とし、CEを半径とする円EAFを描き、CAを結ぶ。
点Cは円EAFの中心であるから、CAはCEに等しく、CEはDに等しい。したがって、DはCAに等しい。
ゆえに、CAはDに等しく、与えられた円ABCに差し合わされている。これが求められていたことであった。
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888