命題I-7
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-7 一つの直線の両端から、同じ側にそれぞれ長さが等しい二つの異なる直線を引いて、それらがちょうど端点で交わるようにすることはできない。
作成:2006-07-14
更新:2011-03-10

命題I-7

Ἐπὶ τῆς αὐτῆς εὐθείας δύο ταῖς αὐταῖς εὐθείαις ἄλλαι δύο εὐθεῖαι ἴσαι ἑκατέρα ἑκατέρᾳ οὐ συσταθήσονται πρὸς ἄλλῳ καὶ ἄλλῳ σημείῳ ἐπὶ τὰ αὐτὰ μέρη τὰ αὐτὰ πέρατα ἔχουσαι ταῖς ἐξ ἀρχῆς εὐθείαις.
 一つの直線の両端から、同じ側にそれぞれ長さが等しい二つの異なる直線を引いて、それらがちょうど端点で交わるようにすることはできない。
 もしこれが可能であれば、二つの直線AD、DBがAC、CBにそれぞれ等しく、直線ABから引かれ、ABに関して同じ側で異なる点CとDで交わるようにすることができる。CAとDAは端点Aを共有し等しく、CBとDBは端点Bを共有し等しい。このとき、直線CDを引きなさい[公準P-1]。
 ACとADは等しいから、角ACDと角ADCは等しい[命題I-5]。角ADCはDCBより大きい[公理A-5]。よって、角CDBはDCBよりさらに大きい[公理A-5]。また、CBとDBは等しいから、角CDBは角DCBと等しい[命題I-5]。しかしこれは前者が後者よりも大きいことに矛盾する。
 ゆえに、一つの直線の両端から、同じ側にそれぞれ長さが等しい二つの異なる直線を引いて、それらがちょうど端点で交わるようにすることはできない。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888