命題V-23
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-23 二組の同じ数の量の組において、対応するどの二つの量も入れ替えると比例するとき、各々の等位比は等しい。
作成:2006-10-20
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題V-23
Ἐὰν ᾖ τρία μεγέθη καὶ ἄλλα αὐτοῖς ἴσα τὸ πλῆθος σύνδυο λαμβανόμενα ἐν τῷ αὐτῷ λόγῳ, ᾖ δὲ τεταραγμένη αὐτῶν ἡ ἀναλογία, καὶ δι᾽ ἴσου ἐν τῷ αὐτῷ λόγῳ ἔσται.二組の同じ数の量の組において、対応するどの二つの量も入れ替えると比例するとき、各々の等位比は等しい。
二組の三つの量の組(α,β,γ)と(δ,ε,ζ)において α:β=ε:ζ, β:γ=δ:εならばα:γ=δ:ζが成り立つ。
A、B、CとD、E、Fを二組の同じ数の量の組とし、対応するどの二つの量も入れ替えると比例する、すなわち、A対BとE対F、B対CとD対Eがそれぞれ等しいと仮定する。このとき、各々の等位比は等しい、すなわち、A対CはD対Fに等しいと主張する。
G、H、KをA、B、Dの等倍、L、M、NをC、E、Fの等倍とする。
G、HはA、Bの等倍であるから、A対BはG対Hに等しい[命題V-15]。同じ理由により、E対FはM対Nに等しい。A対BはE対Fに等しいから、G対HはM対Nに等しい[命題V-11]。B対CはD対Eに等しいから交代比も等しく、B対DはC対Eに等しい[命題V-16]。H、KはB、Dの等倍であるから、H対KはB対Dに等しい[命題V-15]。B対DはC対Eに等しいから、H対KはC対Eに等しい[命題V-11]。L、MはC、Eの等倍であるから、C対EはL対Mに等しい[命題V-15]。C対EはH対Kに等しいから、H対KはL対Mに等しく[命題V-11]、交代比H対LもK対Mに等しい[命題V-16]。すでに示されたようにG対HはM対Nに等しいから、G、H、LとK、M、Nは二組の同じ数の量の組であり、対応するどの二つの量も入れ替えると比例しているから、各々の組の初項G、Kと末項L、Nを比較したときの大小及び相等関係は一致する[命題V-21]。G、KはA、Dの等倍、L、NはC、Fの等倍であるから、A対CはD対Fに等しい[定義DV-5]。
ゆえに、二組の同じ数の量の組において、対応するどの二つの量も入れ替えると比例するとき、各々の等位比は等しい。これが証明すべきことであった。
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888