命題II-1
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題II-1 二つの直線が与えられ、その一つの直線が任意の個数に分割されているとき、二つの直線の積である長方形の面積は、分割されていない直線と分割された直線の各部分の積である長方形の面積の和に等しい。
作成:2006-07-28
更新:2011-03-10

命題II-1

Ἐὰν ὦσι δύο εὐθεῖαι, τμηθῇ δὲ ἡ ἑτέρα αὐτῶν εἰς ὁσαδηποτοῦν τμήματα, τὸ περιεχόμενον ὀρθογώνιον ὑπὸ τῶν δύο εὐθειῶν ἴσον ἐστὶ τοῖς ὑπό τε τῆς ἀτμήτου καὶ ἑκάστου τῶν τμημάτων περιεχομένοις ὀρθογωνίοις.
 二つの直線が与えられ、その一つの直線が任意の個数に分割されているとき、二つの直線の積である長方形の面積は、分割されていない直線と分割された直線の各部分の積である長方形の面積の和に等しい。
a⊗(b+c+d) = a⊗b + a⊗c + a⊗d
 AとBCを二つの直線とし、BCが任意の二点DとEで分割されているとする。このとき、AとBCの積である長方形の面積は、AとBD、AとDE、AとECの積である長方形の面積の和に等しいと主張する。
 BFをBからBCに垂直に降ろす[命題I-11]。BGをAと同じ長さにとる[命題I-3]。GHをGを通り、BCに平行に引く[命題I-31]。そして、DK、EL、CHをそれぞれD、E、Cを通り、BGと平行に引く[命題I-31]。
 長方形BHは長方形BK、DL、EHの和に等しく、AとBCの積である。なぜならば、GBとBCの積であり、BGがAに等しいからである。長方形BKはAとBDの積である。なぜならば、GBとBDの積であり、BGがAに等しいからである。長方形DLははAとDEの積である。なぜならば、DKはBG、すなわちAに等しいからである[命題I-34]。同様にEHはAとECの積である。したがって、AとBCに含まれる長方形は、AとBD、AとDE、AとECの積である長方形の和に等しい。
 ゆえに、二つの直線が与えられ、その一つの直線が任意の個数に分割されているとき、二つの直線の積である長方形の面積は、分割されていない直線と分割された直線の部分の積である長方形の面積の和に等しい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888