命題I-25
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-25 二辺が等しい二つの三角形において、底辺が大きい方の等しい二辺の挟む角が大きい。
作成:2006-07-18
更新:2011-03-10

命題I-25

Ἐὰν δύο τρίγωνα τὰς δύο πλευρὰς δυσὶ πλευραῖς ἴσας ἔχῃ ἑκατέραν ἑκατέρᾳ, τὴν δὲ βάσιν τῆς βάσεως μείζονα ἔχῃ, καὶ τὴν γωνίαν τῆς γωνίας μείζονα ἕξει τὴν ὑπὸ τῶν ἴσων εὐθειῶν περιεχομένην.
 二辺が等しい二つの三角形において、底辺が大きい方の等しい二辺の挟む角が大きい。
 ABCとDEFを二辺ABとAC、DEとDFがそれぞれ等しい、すなわちABとDE、ACとDFが等しい二つの三角形とし、BCがEFより大きいものとする。このとき角BACがEDFより大きいと主張する。
 もしそうでないとすれば、角BACはEDFに等しいか、より小さい。実際、BACはEDFと等しくない。なぜならば、もし等しいとすればBCとEFが等しくなってしまうが[命題I-4]、そうではない。したがってBACはEDFと等しくない。さらにBACはEDFより小さくはない。もし小さいならBCはEFより小さくなるが[命題I-24]、そうではない。したがってBACはEDFより小さくはない。等しくないことはすでに示されているので、結局、BACはEDFより大きい。
 ゆえに、二辺が等しい二つの三角形において、底辺が大きい方の等しい二辺の挟む角が大きい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888