命題I-2
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-2 与えられた直線と同じ長さの直線を与えられた点から作図すること。
作成:2006-07-13
更新:2011-03-10

命題I-2

Πρὸς τῷ δοθέντι σημείῳ τῇ δοθείσῃ εὐθείᾳ ἴσην εὐθεῖαν θέσθαι.
 与えられた直線と同じ長さの直線を与えられた点から作図すること。
 Aを与えられた点、BCを与えられた直線とする。このとき、AからBCと同じ長さの直線を作図することが求められている。
 ABをAとBを結ぶ直線とすると[公準P-1]、直線ABを一辺とする正三角形DABを作図することができる[命題I-1]。DAとDBを延長し、直線AEとBFを描きなさい[公準P-2]。そして、Bを中心としBCを半径とする円CGHを描き[公準P-3]、Dを中心としDGを半径とする円GKLを描きなさい[公準P-3]。
 ここで、Bは円CGHの中心であるから、BCはBGと等しい[定義DI-15]。また、Dは円GKLの中心であるから、DLはDGと等しい[定義DI-15]。これらの中にあるDAとDBは等しいから、それらを引いた差のALはBGと等しい[公理A-3]。BCとBGは等しいから、同じものに等しいものは等しいことから[公理A-1]、ALはBCと等しい。
 ゆえに、直線ALは与えられた直線BCと等しく、与えられた点Aから引かれている。これが求められていたことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888