命題II-8
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題II-8 直線が任意に分割されるとき、全体の直線と一つの部分の積である長方形の四倍と残りの部分上の正方形の和は、全体の直線にその部分を付け加えた直線上の正方形に等しい。
作成:2006-08-05
更新:2011-03-10

命題II-8

Ἐὰν εὐθεῖα γραμμὴ τμηθῇ, ὡς ἔτυχεν, τὸ τετράκις ὑπὸ τῆς ὅλης καὶ ἑνὸς τῶν τμημάτων περιεχόμενον ὀρθογώνιον μετὰ τοῦ ἀπὸ τοῦ λοιποῦ τμήματος τετραγώνου ἴσον ἐστὶ τῷ ἀπό τε τῆς ὅλης καὶ τοῦ εἰρημένου τμήματος ὡς ἀπὸ μιᾶς ἀναγραφέντι τετραγώνῳ.
 直線が任意に分割されるとき、全体の直線と一つの部分の積である長方形の四倍と残りの部分上の正方形の和は、全体の直線にその部分を付け加えた直線上の正方形に等しい。
4(a+b)⊗b + a⊗a = (a+2b)⊗(a+2b)
 直線ABが任意の点Cで分割されているとき、ABとBCの積である長方形の四倍とAC上の正方形の和はABにBCを付け加えた直線上の正方形に等しいと主張する。
 BDがBCと等しくなるように直線ABを延長し[命題I-3]、AD上の正方形AEFDを描き[命題I-46]、残りの図形も二重に描く。
 CBはBDに等しいから、CBはGKに等しく[命題I-34]、BDはKNに等しい[命題I-34]。よって、GKはKNにも等しい。同じ理由でQRはRPに等しく、BCはBDに、GKはKNに、CKはKDに、GRはRNに等しい[命題I-36]。ここで、CKはRNに等しい。なぜならば、それらは平行四辺形CPの補形であるから[命題I-43]。よって、KDはGRに等しく、DK、CK、GR、RNの四つは互いに等しいことがわかる。この四つはCKの四倍である。CBはBDに等しく、BDはBKすなわちCGに等しく、CBはGKすなわちGQに等しく、CGはGQに等しい。CGはGQに、QRはRPに、AGはMQに、QLはRFに等しい[命題I-36]。ここで、MQはQLに等しい。なぜならば、それらは平行四辺形MLの補形であるから[命題I-43]。したがって、AGはRFに等しく、AG、MQ、QL、RFの四つは互いに等しい。この四つはAGの四倍である。すでに示されたようにDK、CK、GR、RNの四つはCKの四倍であるから、これらの八つはグノーモンSTUを構成し、AKの四倍になっている。BKはBDに等しく、AKはABとBDの積であるから、ABとBDの積である長方形の四倍はAKの四倍である。AKの四倍はグノーモンSTUに等しいということがすでに示されているから、ABとBDの積である長方形の四倍はグノーモンSTUに等しい。AC上の正方形に等しいOHを両方に加える。ABとBDの積である長方形の四倍とAC上の正方形の和はグノーモンSTUとOHの和に等しい。グノーモンSTUとOHの和は全体のAC上の正方形AEFDに等しいから、ABとBDの積である長方形の四倍とAC上の正方形の和はAD上の正方形に等しい。BDとBCは等しいから、ABとBDの積である長方形の四倍とAC上の正方形の和は、AD上の正方形、すなわちABにBCを付け加えた直線上の正方形に等しい。
 ゆえに、直線が任意に分割されるとき、全体の直線と一つの部分の積である長方形の四倍と残りの部分上の正方形の和は、全体の直線にその部分を付け加えた直線上の正方形に等しい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888