命題I-17
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-17 任意の三角形において、その任意の二つの内角の和は二直角より小さい。
作成:2006-07-16
更新:2011-03-10

命題I-17

Παντὸς τριγώνου αἱ δύο γωνίαι δύο ὀρθῶν ἐλάσσονές εἰσι πάντῃ μεταλαμβανόμεναι.
 任意の三角形において、その任意の二つの内角の和は二直角より小さい。
 三角形ABCにおいて、任意の二つの内角の和は二直角より小さいと主張する。
 BCをDまで延長する。
 角ACDは三角形ABCの外角であるから、内対角ABCより大きい[命題I-16]。この両方にACBを加えるとACDとACBの和はABCとCBAの和より大きい。ここで、ACDとACBの和は二直角に等しいから[命題I-13]、ABCとBCAの和は二直角よりも小さい。同様にBACとACBの和、CABとABCの和が二直角より小さいことを示すことができる。
 ゆえに、任意の三角形において、その任意の二つの内角の和は二直角より小さい。これが証明すべきことであった。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888