命題II-9
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題II-9 直線が半分と不等分に分割されるとき、不等な部分上の正方形の和は、半分と不等な部分どうしの差の上の正方形の和の二倍に等しい。
作成:2006-08-05
更新:2011-03-10

命題II-9

Ἐὰν εὐθεῖα γραμμὴ τμηθῇ εἰς ἴσα καὶ ἄνισα, τὰ ἀπὸ τῶν ἀνίσων τῆς ὅλης τμημάτων τετράγωνα διπλάσιά ἐστι τοῦ τε ἀπὸ τῆς ἡμισείας καὶ τοῦ ἀπὸ τῆς μεταξὺ τῶν τομῶν τετραγώνου.
 直線が半分と不等分に分割されるとき、不等な部分上の正方形の和は、半分と不等な部分どうしの差の上の正方形の和の二倍に等しい。
(a+b)⊗(a+b) + (a-b)⊗(a-b) = 2(a⊗a+b⊗b)
 直線ABがCで半分に、Dで不等分に分割されるとき、ADとDB上の正方形の和はACとCD上の正方形の和の二倍に等しいと主張する。
 CEをCを通り、ABに垂直に立て[命題I-11]、ACとCBに等しくなるようにし[命題I-3]、EAとEBを結ぶ。DFをDを通り、ECに平行に引く[命題I-31]。FGをFを通り、ABに平行に引く[命題I-31]。AFを結ぶ。ACとCEは等しいから、EACはAECに等しい[命題I-5]。Cにおける角は直角であるから、残りの角EACとAECの和は直角に等しい[命題I-32]。その各々は互いに等しいから、CEAとCAEはそれぞれ直角の半分である。同じ理由でCEBとEBCもそれぞれ直角の半分である。したがって、AEBは直角である。GEFは直角の半分であり、同位角ECBに等しいからEGFは直角である[命題I-29]。よって、残りのEFGは直角の半分であり[命題I-32]、GEFとEFGは等しい。したがって、EGとGFは等しい[命題I-6]。角Bは直角の半分であり、ECBの同位角であることからFDBは直角である[命題I-29]。よって、残りのBFDは直角の半分であり[命題I-32]、角BはDFBに等しい。したがって、FDとDBは等しい[命題I-6]。ACはCEに等しいから、AC上の正方形はCE上の正方形に等しく、ACとCE上の正方形の和はAC上の正方形の二倍である。ACEは直角であるから、EA上の正方形はACとCE上の正方形の和に等しく[命題I-47]、EA上の正方形はAC上の正方形の二倍である。EGとGFは等しいから、EG上の正方形とGF上の正方形に等しく、EGとGF上の正方形の和はGF上の正方形の二倍である。EF上の正方形はEGとGF上の正方形の和に等しく[命題I-47]、EF上の正方形はGF上の正方形の二倍である。GFはCDに等しいから[命題I-34]、EF上の正方形はCD上の正方形の二倍である。EA上の正方形はAC上の正方形の二倍であったから、AEとEF上の正方形の和はACとCD上の正方形の和の二倍である。AEFは直角であるから、AF上の正方形はAEとEF上の正方形の和に等しい[命題I-47]。したがって、AF上の正方形はACとCD上の正方形の和の二倍に等しい。Dにおける角は直角に等しいから、ADとDF上の正方形の和はAF上の正方形に等しい[命題I-47]。ADとDF上の正方形の和はACとCD上の正方形の和の二倍に等しい。DFはDBに等しいから、ADとDB上の正方形の和はACとCD上の正方形の和の二倍に等しい。
 ゆえに、直線が半分と不等分に分割されるとき、不等な部分上の正方形の和は、半分と不等な部分どうしの差の上の正方形の和の二倍に等しい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888