命題V-13
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-13 六つの量の一項と二項の比と三項と四項の比が等しく、三項と四項の比が五項と六項の比より大きいならば、一項と二項の比は五項と六項の比より大きい。
作成:2006-10-08
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題V-13
Ἐὰν πρῶτον πρὸς δεύτερον τὸν αὐτὸν ἔχῃ λόγον καὶ τρίτον πρὸς τέταρτον, τρίτον δὲ πρὸς τέταρτον μείζονα λόγον ἔχῃ ἢ πέμπτον πρὸς ἕκτον, καὶ πρῶτον πρὸς δεύτερον μείζονα λόγον ἕξει ἢ πέμπτον πρὸς ἕκτον.六つの量の一項と二項の比と三項と四項の比が等しく、三項と四項の比が五項と六項の比より大きいならば、一項と二項の比は五項と六項の比より大きい。
六つの量α,β,γ,δ,ε,ζにおいて次が成り立つ。
α:β = γ:δ, γ:δ > ε:ζ ⇒ α:β > ε:ζ |
A対BがC対Dに等しく、C対DがE対Fより大きいとき、A対BはE対Fより大きいと主張する。
CとE、DとFをそれぞれ等倍し、Cの倍量がDの倍量より大きく、Eの倍量がFの倍量より大きくないようにすることができる[定義DV-7]。このとき、G、HをC、Eの、K、LをD、Fの等倍とする。GはKより大きく、HはLより大きくない。GにおけるCの倍数と同じだけのAの倍量をMとし、KにおけるDの倍数と同じだけのBの倍量をNとする。
A対BはC対Dに等しく、M、GはA、Cの等倍、N、KはB、Dの等倍であるから、M、NとG、Kを比較したときの大小及び相等関係は一致する[定義DV-5]。GはKより大きいから、MはNより大きい。HはLより大きくない。M、HはA、Eの等倍、N、LはB、Fの等倍であるから、A対BはE対Fより大きい[定義DV-7]。
ゆえに、六つの量の一項と二項の比と三項と四項の比が等しく、三項と四項の比が五項と六項の比より大きいならば、一項と二項の比は五項と六項の比より大きい。これが証明すべきことであった。
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888