命題V-21
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-21 二組の三つの量の組において、対応するどの二つの量も入れ替えると比例するとき、各々の組の初項と末項を比較したときの大小及び相等関係は一致する。
作成:2006-10-19
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題V-21
Ἐὰν ᾖ τρία μεγέθη καὶ ἄλλα αὐτοῖς ἴσα τὸ πλῆθος σύνδυο λαμβανόμενα καὶ ἐν τῷ αὐτῷ λόγῳ, ᾖ δὲ τεταραγμένη αὐτῶν ἡ ἀναλογία, δι᾽ ἴσου δὲ τὸ πρῶτον τοῦ τρίτου μεῖζον ᾖ, καὶ τὸ τέταρτον τοῦ ἕκτου μεῖζον ἔσται, κἂν ἴσον, ἴσον, κἂν ἔλαττον, ἔλαττον.二組の三つの量の組において、対応するどの二つの量も入れ替えると比例するとき、各々の組の初項と末項を比較したときの大小及び相等関係は一致する。
二組の三つの量の組(α,β,γ)と(δ,ε,ζ)においてα:β=ε:ζ, β:γ=δ:εのとき、次が成り立つ。
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A、B、CとD、E、Fを二組の三つの量の組とし、対応するどの二つの量も入れ替えると比例する、すなわち、A対BとE対F、B対CとD対Eがそれぞれ等しいと仮定する。このとき、AとC、DとFを比較したときの大小及び相等関係は一致すると主張する。
AがCより大きいならば、別の量Bに対して、大きい方は小さい方よりも大きい比をもつから[命題V-8]、A対BはC対Bより大きい。ここで、A対BはE対Fに等しい。逆にC対BはE対Dに等しいから[命題V-7系]、E対FはE対Dより大きい。同じ量からの比がより大きい量はより小さいから[命題V-10]、FはDより小さい。したがって、DはFより大きい。同じようにして、AがCに等しい場合はDもFに等しく、AがCより小さい場合はDもFより小さいこと
を示すことができる。
ゆえに、二組の三つの量の組において、対応するどの二つの量も入れ替えると比例するとき、各々の組の初項と末項を比較したときの大小及び相等関係は一致する。これが証明すべきことであった。
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888