命題V-14
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-14 四つの量の一項と二項の比と三項と四項の比が等しいとき、一項と三項、二項と四項を比較したときの大小及び相等関係は一致する。
作成:2006-10-08
更新:2011-03-10

命題V-14

Ἐὰν πρῶτον πρὸς δεύτερον τὸν αὐτὸν ἔχῃ λόγον καὶ τρίτον πρὸς τέταρτον, τὸ δὲ πρῶτον τοῦ τρίτου μεῖζον ᾖ, καὶ τὸ δεύτερον τοῦ τετάρτου μεῖζον ἔσται, κἂν ἴσον, ἴσον, κἂν ἔλαττον, ἔλαττον.
 四つの量の一項と二項の比と三項と四項の比が等しいとき、一項と三項、二項と四項を比較したときの大小及び相等関係は一致する。
 四つの量α,β,γ,δにおいて、α:β=γ:δならば次が成り立つ。
α > γ
β > δ
α = γ
β = δ
α < γ
β < δ
 A対BがC対Dに等しいとき、AがCより大きいならば、BはDより大きいと主張する。
 AはCより大きく、Bは別の量であるから、A対BはC対Bより大きい[命題V-8]。A対BはC対Dに等しいから、C対DはC対Bより大きい[命題V-13]。同じ量からの比がより大きい量はより小さいから[命題V-10]、DはBより小さく、したがって、BはDより大きい。
 同じようにして、AがCに等しいならば、BはDに等しく、 AがCより小さいならば、BはDより小さいことを示すことができる。
 ゆえに、四つの量の一項と二項の比と三項と四項の比が等しいとき、一項と三項、二項と四項を比較したときの大小及び相等関係は一致する。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888