命題VI-6
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題VI-6 二つの三角形が等しい角をもち、それを挟む辺どうしが比例するとき、それらは等角であり、対応する辺に挟まれる角は等しい。
作成:2006-12-09
更新:2011-03-10

命題VI-6

Ἐὰν δύο τρίγωνα μίαν γωνίαν μιᾷ γωνίᾳ ἴσην ἔχῃ, περὶ δὲ τὰς ἴσας γωνίας τὰς πλευρὰς ἀνάλογον, ἰσογώνια ἔσται τὰ τρίγωνα καὶ ἴσας ἕξει τὰς γωνίας, ὑφ᾽ ἃς αἱ ὁμόλογοι πλευραὶ ὑποτείνουσιν.
 二つの三角形が等しい角をもち、それを挟む辺どうしが比例するとき、それらは等角であり、対応する辺に挟まれる角は等しい。
 二つの三角形ABCとDEFは等しい角BACとEDFをもち、それを挟む辺どうしが比例する、すなわち、BA対ACはED対DFに等しいとする。このとき、三角形ABCと三角形DEFは等角であり、対応する辺に挟まれる角は等しい、すなわち、角ABCはDEFに等しく、角ACBはDFEに等しいと主張する。
 角FDGは角BACとEDFの各々と等しく、角DFGは角ACBに等しくなるように直線DF上の点DとFから作図する[命題I-23]。このとき、残りの角Bは残りの角Gに等しい[命題I-32]。
 三角形ABCはDGFと等角であるから、BA対ACはGD対DFに等しい[命題VI-4]。ここで、仮定によりBA対ACはED対DFに等しいから、ED対DFはGD対DFに等しい[命題V-11]。よって、EDはGDに等しい[命題V-9]。DFは共通であり、二辺ED、DFはGD、DFにそれぞれ等しく、角EDFはGDFに等しいから、底辺EFは底辺GFに等しく、三角形DEFとGEFは等しく、等しい辺に挟まれる残りの角も等しい[命題I-4]。よって、角DFGはDFEに等しく、角DGFはDEFに等しい。ここで、角DFGはACBに等しいから、角ACBはDFEに等しく、角BACはEDFに等しいという仮定から、残りの角Bは残りの角Eに等しい[命題I-32]。したがって、三角形ABCとDEFは等角である。
 ゆえに、二つの三角形が等しい角をもち、それを挟む辺どうしが比例するとき、それらは等角であり、対応する辺に挟まれる角は等しい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888