命題II-11
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題II-11 直線を分割して、全体の直線と一つの部分の積である長方形と残りの部分上の正方形が等しくなるようにすること。
作成:2006-08-08
更新:2011-03-10

命題II-11

Τὴν δοθεῖσαν εὐθεῖαν τεμεῖν ὥστε τὸ ὑπὸ τῆς ὅλης καὶ τοῦ ἑτέρου τῶν τμημάτων περιεχόμενον ὀρθογώνιον ἴσον εἶναι τῷ ἀπὸ τοῦ λοιποῦ τμήματος τετραγώνῳ.
 直線を分割して、全体の直線と一つの部分の積である長方形と残りの部分上の正方形が等しくなるようにすること。
(a-x)⊗(a-x) = x⊗a
 直線ABが与えられたとき、ABを分割して、全体の直線と一つの部分の積である長方形と残りの部分上の正方形が等しくなるようにすることが求められている。
 正方形ABDCをAB上に描く[命題I-46]、ACをEで二等分し[命題I-10]、BEを結ぶ。CAをFまで延長し、EFがBEと等しくなるようにする[命題I-3]。正方形FHをAF上に描き[命題I-46]、GHをKまで延長する。このとき、ABはHで分割され、ABとBHの積である長方形はAH上の正方形と等しいと主張する。
 直線ACはEで二等分されるから、それにFAを加えると、CFとFAの積である長方形とAE上の正方形の和は、EF上の正方形に等しい[命題II-6]。EFはEBに等しいから、CFとFAの積である長方形とAE上の正方形の和は、EB上の正方形に等しい。角Aが直角であることから、BAとAE上の正方形の和はEB上の正方形に等しい[命題I-47]。したがって、CFとFAの積である長方形とAE上の正方形の和は、BAとAE上の正方形の和に等しい。両方からAE上の正方形を引くと、CFとFAの積である長方形は、AB上の正方形の和に等しいことがわかる。AFはFGに等しいから、FKはCFとFAの積である長方形であり、ADはAB上の正方形であるから、長方形FKは正方形ADに等しい。両方から長方形AKを引くと、残りの正方形FHと長方形HDは等しい。ABはBDに等しいから、HDはABとBHの積である長方形であり、FHはAH上の正方形である。したがって、ABとBHの積である長方形はHA上の正方形に等しい。
 ゆえに、与えられた直線ABをHで分割すると、ABとBHの積である長方形はHA上の正方形に等しくなる。これが求められていたことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888