命題V-7
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-7 等しい量は同じ量に対して同じ比をもち、後者は前二者に対して同じ比をもつ。
作成:2006-09-22
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題V-7
Τὰ ἴσα πρὸς τὸ αὐτὸ τὸν αὐτὸν ἔχει λόγον καὶ τὸ αὐτὸ πρὸς τὰ ἴσα.等しい量は同じ量に対して同じ比をもち、後者は前二者に対して同じ比をもつ。
三つの量α,β,γにおいて次が成り立つ。
α = β ⇒ α:γ = β:γ, γ:α = γ:β |
AとBを等しい量とし、Cは任意の量とする。このとき、AとBの各々はCに対して同じ比をもち、CはAとBの各々に対して同じ比をもつと主張する。
D、EをA、Bの等倍とし、FはCの任意の倍数の倍量とする。
D、EはA、Bの等倍で、AはBに等しいから、DもEに等しい。Fは任意の量であるから、DとFの大小及び相等関係とEとFの大小及び相等関係は一致する。D、EはA、Bの等倍で、FはCの任意の倍数の倍量であったから、A対CとB対Cは等しい[定義DV-5]。
同じようにして、同じ構成でFとDの大小及び相等関係とFとEの大小及び相等関係は一致する。D、EはA、Bの等倍で、FはCの任意の倍数の倍量であったから、C対AとC対Bは等しい[定義DV-5]。
ゆえに、等しい量は同じ量に対して同じ比をもち、後者は前二者に対して同じ比をもつ。
系
これらのことから、比例する量の組において、逆比も比例することは明らかである。 これが証明すべきことであった。四つの量α,β,γ,δにおいて次が成り立つ。
α:β = γ:δ ⇒ β:α = δ:γ |
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888