命題I-43
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-43 任意の平行四辺形において、対角線を分割する平行四辺形の補形の面積は互いに等しい。
作成:2006-07-25
更新:2011-03-10
更新:2011-03-10
命題I-43
Παντὸς παραλληλογράμμου τῶν περὶ τὴν διάμετρον παραλληλογράμμων τὰ παραπληρώματα ἴσα ἀλλήλοις ἐστίν.任意の平行四辺形において、対角線を分割する平行四辺形の補形ほけい, παραπλήρωμα, complementの面積は互いに等しい。
ABCDを平行四辺形とし、ACをその対角線とする。EHとFGをACを分割する平行四辺形とするとき、BKとKDをその補形という。このとき、補形BKと補形KDの面積は等しいと主張する。
ABCDは平行四辺形で、ACはその対角線であるから、三角形ABCと三角形ACDの面積は等しい[命題I-34]。EHは平行四辺形で、AKはその対角線であるから、三角形AEKと三角形AHKの面積は等しい[命題I-34]。同じ理由で三角形KFCと三角形KGCの面積は等しい。三角形AEKが三角形AHKと、KFCがKGCと等しいからAEKとKGCの和はAHKとKFCの和と等しい。さらに全体の三角形ABCは三角形ADCと等しい。したがって、それらの差である補形BKと補形KDは等しい。
ゆえに、任意の平行四辺形において、対角線を分割する平行四辺形の補形の面積は互いに等しい。これが証明すべきことであった。
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888