命題I-4
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-4 二つの三角形において、二つの辺がそれぞれ等しく、その二辺に挟まれる角も等しいならば、底辺も等しく、二つの三角形は等しい。そして、等しい二辺に対する残りの角もそれぞれ等しい。
作成:2006-07-13
更新:2011-03-10

命題I-4

Ἐὰν δύο τρίγωνα τὰς δύο πλευρὰς [ταῖς] δυσὶ πλευραῖς ἴσας ἔχῃ ἑκατέραν ἑκατέρᾳ καὶ τὴν γωνίαν τῇ γωνίᾳ ἴσην ἔχῃ τὴν ὑπὸ τῶν ἴσων εὐθειῶν περιεχομένην, καὶ τὴν βάσιν τῇ βάσει ἴσην ἕξει, καὶ τὸ τρίγωνον τῷ τριγώνῳ ἴσον ἔσται, καὶ αἱ λοιπαὶ γωνίαι ταῖς λοιπαῖς γωνίαις ἴσαι ἔσονται ἑκατέρα ἑκατέρᾳ, ὑφ᾽ ἃς αἱ ἴσαι πλευραὶ ὑποτείνουσιν.
 二つの三角形において、二つの辺がそれぞれ等しく、その二辺に挟まれる角も等しいならば、底辺も等しく、二つの三角形は等しい。そして、等しい二辺に対する残りの角もそれぞれ等しい。
 二つの三角形ABCとDEFにおいて、二辺ABとACが二辺DEとDFにそれぞれ等しい、すなわち、ABとDE、ACとDFが等しいとし、そして角BACと角EDFが等しいものとする。このとき、底辺BCと底辺EFが等しく、角ABCと角DEF、角ACBと角DFEが等しいと主張する。
 三角形ABCを三角形DEFに重ね合わせ、点Aは点Dに、直線ABは直線DEと一致するようにする。このときABとDEの長さが等しいことから点Bは点Eに一致する。ABとDEが一致していることと角BACがEDFに等しいことから、直線ACとDFも一致する。したがって、点Cと点Fは一致する。点Bは点Eと一致しているから底辺BCは底辺EFと一致する。なぜならば、もし一致しないとすれば同じ点を結ぶ直線は唯一つであることに反するからである[公準P-1]。したがって、底辺BCと底辺EFは一致し、互いに等しい[公理A-4]。したがって、三角形ABCは三角形DEFと完全に一致し、互いに等しい[公理A-4]。残りの角もそれぞれ一致し、互いに等しい[公理A-4]。つまり、ABCとDEF、ACBとDFEは等しい[公理A-4]。
 ゆえに、二つの三角形において、二つの辺がそれぞれ等しく、その二辺に挟まれる角も等しいならば、底辺も等しく、二つの三角形は等しい。そして、等しい二辺に対する残りの角もそれぞれ等しい。これが証明すべきことであった。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888