命題I-22
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-22 与えられた三つの直線において、どの二直線の和も残りの直線より大きいならば、これらの直線を三辺とする三角形を作図することができる。
作成:2006-07-17
更新:2011-03-10

命題I-22

Ἐκ τριῶν εὐθειῶν, αἵ εἰσιν ἴσαι τρισὶ ταῖς δοθείσαις [εὐθείαις], τρίγωνον συστήσασθαι: δεῖ δὲ τὰς δύο τῆς λοιπῆς μείζονας εἶναι πάντῃ μεταλαμβανομένας [διὰ τὸ καὶ παντὸς τριγώνου τὰς δύο πλευρὰς τῆς λοιπῆς μείζονας εἶναι πάντῃ μεταλαμβανομένας].
 与えられた三つの直線において、どの二直線の和も残りの直線より大きいならば、これらの直線を三辺とする三角形を作図することができる。
 A、B、Cを与えられた三直線とし、どの二直線の和も残りの直線より大きいものとする。すなわち、AとBの和はCより、AとCの和はBより、BとCの和はAより大きいものとする。このとき三辺がA、B、Cに等しい三角形を作図することが求められている。
 Dを端点とし、Eの方向に無限に長い直線DEを引く。DFとA、FGとB、GHとCが等しいようにF、G、Hをとる[命題I-3]。Fを中心としFDを半径とする円DKLを描く。さらに、Gを中心としGHを半径とする円を描く。KFとKGを結ぶと三角形KFGは三直線A、B、Cと等しい三辺をもつことを示す。
 Fは円DKLの中心であるから、FDはFKに等しく、FDはAと等しいから、KFもAと等しい。Gは円LKHの中心であるから、GHはGKに等しく、GHはCに等しいから、GKもCに等しい。そして、FGはBに等しい。よってKF、FG、GKはそれぞれA、B、Cに等しい。
 ゆえに、三角形KFGはA、B、Cに等しい三直線KF、FG、GKによって構成される。これが求められていたことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888