命題VI-32
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題VI-32 二つの三角形において、一つの角を挟む二辺どうしが比例し、さらに平行であるとき、残りの辺は一直線上にある。
作成:2007-03-20
更新:2011-03-10

命題VI-32

Ἐὰν δύο τρίγωνα συντεθῇ κατὰ μίαν γωνίαν τὰς δύο πλευρὰς ταῖς δυσὶ πλευραῖς ἀνάλογον ἔχοντα ὥστε τὰς ὁμολόγους αὐτῶν πλευρὰς καὶ παραλλήλους εἶναι, αἱ λοιπαὶ τῶν τριγώνων πλευραὶ ἐπ᾽ εὐθείας ἔσονται.
 二つの三角形において、一つの角を挟む二辺どうしが比例し、さらに平行であるとき、残りの辺は一直線上にある。
 ABCとDCEを二つの三角形とし、二辺BAとACが二辺DCとDEに比例し、すなわち、AB対ACがDC対DEに等しく、ABとDC、ACとDEがそれぞれ平行であれば、BCとCEは一直線上にあると主張する。
 ABはDCに平行であり、直線ACはそれらと交わっているから、錯角BACとACDは互いに等しい[命題I-29]。同じ理由でCDEはACDと等しい。よって、BACはCDEに等しい。三角形ABCとDCEにおいて角Aと角Dが等しく、それらを挟む二辺が比例している、すなわち、BA対ACはCD対DEに等しいから、三角形ABCは三角形DCEに等角である[命題VI-6]。したがって、角ABCはDCEに等しく、すでに示されたように角ACDはBACに等しいから、全体の角ACEは二つの角ABCとBACの和に等しい。ここで、BAC、ABC、ACBの和は二直角であるから[命題I-32]、ACEとACBの和も二直角である。二直線BCとCEは同じ側にはなく、点Cにおいて隣接する角ACEとACBの和が二直角に等しいから、BCとCEは一直線上にある[命題I-14]。
 ゆえに、二つの三角形において、一つの角を挟む二辺どうしが比例し、さらに平行であるとき、残りの辺は一直線上にある。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888