命題IV-7
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題IV-7 与えられた円に正方形を外接させること。
作成:2006-09-15
更新:2011-03-10

命題IV-7

Περὶ τὸν δοθέντα κύκλον τετράγωνον περιγράψαι.
 与えられた円に正方形を外接させること。
 ABCDを与えられた円とする。このとき、円ABCDに外接する正方形を作図することが求められている。
 円ABCDの二つの直径ACとBDを互いに直交するように引き、FG、GH、HK、KFをそれぞれA、B、C、Dで円ABCDに接するように引く。
 FGは円ABCDに接してるから、中心Eから接点Aを結ぶとAにおける角は直角である[命題III-18]。同じ理由で、B、C、Dにおける角も直角である。角AEBとEBGは直角であるから、GHはACに平行である[命題I-29]。同じ理由で、ACはFKに平行であるから、GHはKFに平行である[命題I-30]。同じようにして、GFとFKがBEDに平行であることを示すことができる。したがって、GK、GC、AK、FB、BKはすべて平行四辺形であり、GFはHKに、GHはFKに等しい[命題I-34]。ACはBDに等しく、また、ACはGHとFKの各々に、BDはGFとHKの各々に等しいから[命題I-34]、四辺形FGHKは等辺である。さらに長方形であると主張する。なぜならば、GBEAは平行四辺形で、AEBは直角で、AGBも直角である[命題I-34]。同じようにして、H、K、Fにおける角も直角であることを示すことができる。したがって、FGHKは長方形である。すでに長方形であることを示してあるから、これは正方形であり[定義DI-22]、円ABCDに外接している。
 ゆえに、与えられた円に正方形を外接させることができた。これが求められていたことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888