命題V-18
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-18 分離された比が比例するならば、統合しても比例する。
作成:2006-10-15
更新:2011-03-10

命題V-18

Ἐὰν διῃρημένα μεγέθη ἀνάλογον ᾖ, καὶ συντεθέντα ἀνάλογον ἔσται.
 分離された比が比例するならば、統合しても比例する。
 四つの量α,β,γ,δについて次が成り立つ。
α:β = γ:δ ⇒ (α+β):β = (γ+δ):δ
 AE、EB、CF、FDにおいて分離された比が比例している、すなわち、AE対EBとCF対FDが等しいとする。このとき、それらの統合比も等しい、すなわち、AB対BEはCD対FDに等しいと主張する。
 もしAB対BEがCD対FDに等しくないとすれば、ABがBEに対するようにCDが対するものはFDより小さいか、大きいかのどちらかである。
 最初にそれがFDより小さいDGであると仮定しよう。統合比AB対BEはCD対DGに等しいから、それらを分離した比も等しい[命題V-17]、すなわち、AE対EBはCG対GDに等しい。ところが、AE対EBはCF対FDに等しいと仮定されているから、CG対GDはCF対FDに等しい[命題V-11]。ここで、CGはCFより大きいから、GDはFDより大きい[命題V-14]。しかし、これは矛盾である。したがって、ABがBEに対するようにCDが対するものはFDより小さいことはない。同じようにして、それが大きいこともないことを示すことができる。よって、それはFDに等しい。
 ゆえに、分離された比が比例するならば、統合しても比例する。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888