命題III-26
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題III-26 等しい円の等しい中心角あるいは円周角は、等しい弧の上に立つ。
作成:2006-09-11
更新:2011-03-10

命題III-26

Ἐν τοῖς ἴσοις κύκλοις αἱ ἴσαι γωνίαι ἐπὶ ἴσων περιφερειῶν βεβήκασιν, ἐάν τε πρὸς τοῖς κέντροις ἐάν τε πρὸς ταῖς περιφερείαις ὦσι βεβηκυῖαι.
 等しい円の等しい中心角あるいは円周角は、等しい弧の上に立つ。
 ABCとDEFを等しい円とし、BGCとEHFをその等しい中心角とする。このとき、弧BKCはELFに等しいと主張する。
 BCとEFを結ぶ。
 円ABCとDEFは等しいから、それらの半径も等しい。このことから、二辺BG、GCと二辺EH、HFはそれぞれ等しく、角Gと角Hが等しいから、底辺BCは底辺EFに等しいことがわかる[命題I-4]。Aにおける円周角とDにおける円周角は等しいから、切片BACと切片EDFは等しい[定義DIII-11]。しかも、それらは等しい直線BCとEF上にある。等しい直線上の相似な切片は互いに等しいから[命題III-24]、切片BACと切片EDFは等しい。そして、全体の円ABCは全体の円DEFに等しいから、残りの弧BKCは残りの弧ELFに等しい。
 ゆえに、等しい円の等しい中心角あるいは円周角は、等しい弧の上に立つ。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888