命題III-17
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題III-17 与えられた点から与えられた円に接線を引くこと。
作成:2006-09-07
更新:2011-03-10

命題III-17

Ἀπὸ τοῦ δοθέντος σημείου τοῦ δοθέντος κύκλου ἐφαπτομένην εὐθεῖαν γραμμὴν ἀγαγεῖν.
 与えられた点から与えられた円に接線を引くこと。
 Aを与えられた点、BCDを与えられた円とする。点Aから円BCDへ接線を引くことが求められている。
 円の中心Eを定め[命題III-1]、AEを結ぶ。Eを中心とし、半径がEAの円AFGを描く。DFをDからEAに垂直に引く[命題I-11]。EFとABを結ぶ。このとき、ABは点Aから円BCDへの接線であると主張する。
 EはBCDとAFGの中心であるから、EAはEFに等しく、EDはEBに等しい。二辺AE、EBは二辺FE、EDにそれぞれ等しく、角Eは共通であるから、底辺DFと底辺ABは等しく、三角形DEFと三角形EBAは合同であり、残りの対応する角どうしも等しい[命題I-4]。したがって、角EDFはEBAに等しく、EDFは直角であるから、EBAも直角である。EBは半径であり、直径の端点から直角に引かれた直線は円に接するから[命題III-16系]、ABは円BCDに接する。
 ゆえに、直線ABは点Aから引かれ、円BCDに接する。これが求められていたことであった。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888