命題I-46
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-46 与えられた直線を一辺とする正方形を作図すること。
作成:2006-07-27
更新:2011-03-10

命題I-46

Ἀπὸ τῆς δοθείσης εὐθείας τετράγωνον ἀναγράψαι.
 与えられた直線を一辺とする正方形を作図すること。
 ABを与えられた直線としたとき、これを一辺とする正方形を作図することが求められている。
 ACをAB上、Aから立てた垂線をACとする[命題I-11]。ADをABと同じ長さにとる[命題I-3]。DEをDからABに平行に引き[命題I-31]、BEをBからADに平行に引く[命題I-31]。そうするとADEBは平行四辺形であり、ABとDE、ADとBEは等しい[命題I-34]。ここで、ABはADと等しいから、四辺BA、AD、DE、EBは互いに等しく、平行四辺形ADEBは等辺である。さらに角が直角であることをいえばよい。直線ADは平行線ABとDEに交わり、角BADとADEの和は二直角である[命題I-29]。BADは直角であるから、ADEも直角である。平行四辺形においては対辺と対角は互いに等しいから[命題I-34]、ABEとBEDは直角である。したがって、ADEBの角はすべて直角で、等辺である。
 ゆえに、ADEBは正方形であり、ABを一辺としている。これが求められていたことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888