命題I-35
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-35 底辺が共通で、同じ平行線に挟まれている平行四辺形の面積は等しい。
作成:2006-07-22
更新:2011-03-10

命題I-35

Τὰ παραλληλόγραμμα τὰ ἐπὶ τῆς αὐτῆς βάσεως ὄντα καὶ ἐν ταῖς αὐταῖς παραλλήλοις ἴσα ἀλλήλοις ἐστίν.
 底辺が共通で、同じ平行線に挟まれている平行四辺形の面積は等しい。
 ABCDとEBCFを共通の底辺BCをもち、同じ平行線AFとBCに挟まれている平行四辺形とする。このとき、ABCDとEBCFの面積は等しいと主張する。
 ABCDは平行四辺形であるから、ADとBCは等しい[例題I-34]。同じくEFはBCに等しい。よって、ADはEFに等しい。DEは共通であるから、AEとDFは等しく、ABとDCは等しい。よって、二辺EA、ABと二辺FD、DCはそれぞれ等しく、角FDCはEABに等しい[命題I-29]。よって、底辺EBはFCに等しく、三角形EABと三角形DFCは等しい[命題I-4]。DGEを両方から取り去ると残りの不等辺四辺形ABGDとEGCFは等しい。三角形GBCは共通である。したがって、全体の平行四辺形ABCDは平行四辺形EBCFに等しい。
 ゆえに、底辺が共通で、同じ平行線に挟まれている平行四辺形の面積は等しい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888