6.8節 射影幾何
著者:梅谷 武
語句:アフィン空間, 無限遠平面, 射影空間
語句:アフィン空間, 無限遠平面, 射影空間
射影空間とその上の射影変換群について述べる。
作成:2009-09-17
更新:2021-03-28
更新:2021-03-28
同時には0にならない四つの実数の組の集合を考えます。
この集合を次のような同値関係で分類します。
この同値類を
で表わすことにします。第4成分が0でない同値類全体は
と表現することができます。これは平面と同じものが埋め込まれているとみなすことができ、アフィン空間あふぃんくかん, affine spaceと呼ばれます。第4成分が0の同値類は
と表現することができ、この全体は射影平面P2と同じもので、無限遠平面むげんえんへいめん, plane at infinityと呼びます。この同値類全体の集合
を射影空間しゃえいくうかん, projective spaceと呼びます。
|
| ≠ |
| , x1,x2,x3,x4 ∈ ℝ |
| ∼ |
| ⇔ |
| = s |
| , s ∈ ℝ× |
|
A3 := |
| x1,x2,x3 ∈ ℝ |
|
P3 := A3 ∪ P2 |
射影空間P3には一般線形群GL(4,ℝ)が作用します。
は射影空間上の恒等変換を引き起こしますから
を射影空間P3上の射影変換群と呼ぶことにします。これはSL(4,ℝ)をその中心で剰余したもの
に同型です。
aE4 = |
| a ∈ ℝ× |
PGL(4,ℝ) := GL(4,ℝ) / ℝ× |
PSL(4,ℝ) := SL(4,ℝ) / { E4, -E4 } |
定理6.8.2.2 射影変換群の一意性
射影変換群PGL(4,ℝ)は次の条件を満たし、かつこれらの条件を満たす変換群はこれ以外に存在しない。(1) | 射影平面P3に推移的に作用する。 |
(2) | 射影直線を射影直線に写し、複比を保存する。 |
(3) | 無限遠平面の固定部分群はアフィン平面上のアフィン変換群Affine(A3)に一致する。 |
証明
略■ さまざまな立体幾何の変換群の包含関係は次のようになりました。
|
[1] 伊原 信一郎, 河田 敬義, 線型空間・アフィン幾何 (岩波基礎数学選書), 岩波書店, 1997
Published by SANENSYA Co.,Ltd.