6.7節 岩澤分解
著者:梅谷 武
語句:上三角行列, 剪断, 拡大縮小, 岩澤分解
一般線形群を岩澤分解することによって、アフィン変換を分類する。
作成:2009-09-17
更新:2021-03-28
GL(2,ℝ)と同じように、一般線形群GL(3,ℝ)の任意の元に右から回転行列を何度かかけることによって上三角行列にすることができ、さらに上三角行列は1,2軸に関する剪断と拡大縮小に分解することができます。
Shear(3) Scale(3)はGL(3,ℝ)の部分群になっています。
(3,3)正則行列も剪断・拡大縮小・鏡映・回転の積に一意的に分解できます。
一般線形群
GL(3,ℝ)の任意の元は剪断・拡大縮小・鏡映・回転の積に一意的に分解することができる。すなわち、
A =
| | | |
∈ GL(3,ℝ)
|
とすると、
p,q,r ∈ ℝ, x,y,z ∈ ℝ+, R ∈ SO(3)が一意的に存在して次のいずれかが成り立つ。
さらに、一般線形群
GL(3,ℝ)は剪断群
Shear(3)、拡大縮小群
Scale(3)、鏡映群
Ref(3)、回転群
SO(3)の直積に位相空間として同相である。
GL(3,ℝ) ≅
Shear(3) × Scale(3)
× Ref(3) × SO(3)
|
証明
略■
これまでにわかっている変換群の包含関係をまとめると次のようになります。
これらの群は平行移動群
Trans(U)との半直積になっているので、その剰余群をとると次のようになります。
[
1] K. Iwasawa, On some types of topological groups, Ann. of Math., vol.50, 507-557, 1949