命題VI-16
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題VI-16 四つの直線が比例するとき、その外項の積である長方形は内項の積である長方形に等積である。逆に外項の積である長方形が内項の積である長方形に等積であれば、四つの直線は比例する。
作成:2006-12-27
更新:2011-03-10

命題VI-16

Ἐὰν τέσσαρες εὐθεῖαι ἀνάλογον ὦσιν, τὸ ὑπὸ τῶν ἄκρων περιεχόμενον ὀρθογώνιον ἴσον ἐστὶ τῷ ὑπὸ τῶν μέσων περιεχομένῳ ὀρθογωνίῳ: κἂν τὸ ὑπὸ τῶν ἄκρων περιεχόμενον ὀρθογώνιον ἴσον ᾖ τῷ ὑπὸ τῶν μέσων περιεχομένῳ ὀρθογωνίῳ, αἱ τέσσαρες εὐθεῖαι ἀνάλογον ἔσονται.
 四つの直線が比例するとき、その外項の積である長方形は内項の積である長方形に等積である。逆に外項の積である長方形が内項の積である長方形に等積であれば、四つの直線は比例する。
 AB、CD、E、Fを四つの直線とし、AB対CDがE対Fに等しいと仮定する。このとき、ABとFの積である長方形はCDとEの積である長方形に等積であると主張する。
 AG、CHをそれぞれ点A、Cから引かれた直線AB、CDに垂直な直線とする[命題I-11]。AGはFに等しく、CHはEに等しいものとする[命題I-3]。そして、平行四辺形BGとDHを完成させる。
 AB対CDはE対Fに等しく、EはCHに、FはAGに等しいから、AB対CDはCH対AGに等しい。よって、平行四辺形BGとDHにおいて、等しい角を挟む辺どうしは反比例する。等しい角を挟む辺どうしが反比例する等角な平行四辺形は等積であるから[命題VI-14]、平行四辺形BGは平行四辺形DHに等積である。AGはFに等しいから、BGはABとFの積である長方形である。EはCHに等しいから、DHはCDとEの積である長方形である。したがって、ABとFの積である長方形はCDとEの積である長方形に等積である。
 次にABとFの積である長方形がCDとEの積である長方形に等積であると仮定しよう。このとき、四つの直線は比例する、すなわち、AB対CDはE対Fに等しいと主張する。
 同じ図において、ABとFの積である長方形がCDとEの積である長方形に等積であり、AGはFに等しいから、BGはABとFの積である長方形である。CHはEに等しいから、DHはCDとEの積である長方形である。よって、BGはDHに等積である。さらにそれらは等角である。等積で等角な平行四辺形において、等しい角を挟む辺どうしは反比例するから[命題VI-14]、AB対CDはCH対AGに等しい。そして、CHはEに等しく、AGはFに等しいから、AB対CDはE対Fに等しい。
 ゆえに、四つの直線が比例するとき、その外項の積である長方形は内項の積である長方形に等積である。逆に外項の積である長方形が内項の積である長方形に等積であれば、四つの直線は比例する。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888