命題V-22
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-22 二組の同じ数の量の組において、対応するどの二つの量も比例するとき、各々の等位比は等しい。
作成:2006-10-20
更新:2011-03-10

命題V-22

Ἐὰν ᾖ ὁποσαοῦν μεγέθη καὶ ἄλλα αὐτοῖς ἴσα τὸ πλῆθος, σύνδυο λαμβανόμενα καὶ ἐν τῷ αὐτῷ λόγῳ, καὶ δι᾽ ἴσου ἐν τῷ αὐτῷ λόγῳ ἔσται.
 二組の同じ数の量の組において、対応するどの二つの量も比例するとき、各々の等位比は等しい。
 二組の三つの量の組(α,β,γ)(δ,ε,ζ)において α:β=δ:ε, β:γ=ε:ζならばα:γ=δ:ζが成り立つ。
 A、B、CとD、E、Fを二組の同じ数の量の組とし、対応するどの二つの量も比例する、すなわち、A対BとD対E、B対CとE対Fがそれぞれ等しいと仮定する。このとき、各々の等位比は等しい、すなわち、A対CはD対Fに等しいと主張する。
 G、HをA、Dの等倍、K、LをB、Eの等倍、M、NをC、Fの等倍とする。
 A対BはD対Eに等しく、G、HはA、Dの等倍、K、LはB、Eの等倍であるから、G対KはH対Lに等しい[命題V-4]。同じ理由により、K対MはL対Nに等しい。したがって、G、K、MとH、L、Nは二組の三つの量の組であり、対応するどの二つの量も比例している。よって、各々の組の初項G、Hと末項M、Nを比較したときの大小及び相等関係は一致する[命題V-20]。G、HはA、Dの等倍、M、NはC、Fの等倍であるから、A対CはD対Fに等しい[定義DV-5]。
 ゆえに、二組の同じ数の量の組において、対応するどの二つの量も比例するとき、各々の等位比は等しい。これが証明すべきことであった。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888