文字・発音

著者:梅谷武

文字・発音

作成:2011-11-03
更新:2013-12-17

文字入力法

ここではftexにおける文字入力法を記す。アルファベットはTeXと同じであるがアクセントの入力法が異なる。

ftexでは古典ギリシア文字を¥Greekタグ内に書く。¥Greekタグ内では、古典ギリシア語を英字と制御文字だけで入力することができる。語尾の'σ'は'ς'に自動変換される。語尾はスペース' '、カンマ','、ピリオド'.'、セミコロン';'で判断する。また、'c'は'ς'に変換される。

表1.4 大文字・小文字

文字	表記	文字	表記
Α	A	α	a
Β	B	β	b
Γ	G	γ	g
Δ	D	δ	d
Ε	E	ε	e
Ζ	Z	ζ	z
Η	H	η	h
Θ	J	θ	j
Ι	I	ι	i
Κ	K	κ	k
Λ	L	λ	l
Μ	M	μ	m
Ν	N	ν	n
Ξ	X	ξ	x
Ο	O	ο	o
Π	P	π	p
Ρ	R	ρ	r
Σ	S,C	σ,ς	s,c
Τ	T	τ	t
Υ	U	υ	u
Φ	F	φ	f
Χ	Q	χ	q
Ψ	Y	ψ	y
Ω	W	ω	w

アクセントは制御文字により文字の前で指定する。

表1.6 アクセント制御文字

制御文字	機能
\.	無気(息記号)
\!	有気(息記号)
\`	重(アクセント)
\'	鋭(アクセント)
\~	曲(アクセント)
\"	分音符
\_	ι
\^	短母音
\=	長母音
\.`	無気+重
\.'	無気+鋭
\.~	無気+曲
\!`	有気+重
\!'	有気+鋭
\!~	有気+曲
\._	無気+ι
\!_	有気+ι
\`_	重+ι
\'_	鋭+ι
\~_	曲+ι
\.`_	無気+重+ι
\.'_	無気+鋭+ι
\.~_	無気+曲+ι
\!`_	有気+重+ι
\!'_	有気+鋭+ι
\!~_	有気+曲+ι
\"`	分音符+重
\"'	分音符+鋭

文字入力例

¥begin{quote}
¥Greek{¥!o b¥'ios braq¥'us, ¥!h d¥`e t¥'eqnh makr¥'a.}
<div style="text-align: right">¥Greek{¥!Ippokr¥'athc}</div>
¥end{quote}

ὁ βίος βραχύς, ἡ δὲ τέχνη μακρά.

Ἱπποκράτης

フォント指定法

古典ギリシア語はUNICODEのギリシャ拡張領域を使用する。これは通常使われるフォントではサポートされていないことが多いので、古典ギリシア語を含むフォントを指定することが必要になる。

本文書では次のようにフォント指定している。

.greek {				/* ギリシャ語 */
　font-size: 120%;
　font-family: "New Athena Unicode", Gentium,
　　　　　　　 "Palatino Linotype", "Lucida Grande", Galilee,
　　　　　　　 "Arial Unicode MS", sans-serif;
}

2 発音

2.1 母音

短母音

ᾰ	ア
ε	エ
ῐ	イ
ο	オ
ῠ	ユ

長母音

ᾱ	アー
η	エー
ῑ	イー
ω	オー
ῡ	ユー

母音の長短を表す記号は省略される場合が多い。

二重母音

αι	アイ
ει	エイ
οι	オイ
υι	ユイ

αυ	アウ
ευ	エウ
ου	ウー
ηυ	エーウ

ᾳ	アー
ῃ	エー
ῳ	オー

2.2 子音

閉鎖音

	無声音		有声音		無声帯気音
唇音	π	プ	β	ブ	φ	プフ
喉音	κ	ク	γ	グ	χ	クフ
歯音	τ	トゥ	δ	ドゥ	θ	トゥフ

鼻音

μ	ム
ν	ン

流音

λ	ル
ρ	ル(巻き舌)

摩擦音

σ,ς

ス

二重子音

ζ	ズ
ξ	クス
ψ	プス