翁倉山
著者:梅谷 武
語句:翁倉山山頂からのパノラマ写真と写真ツアー。謎の大型リスの写真。
作成:2011-05-14
更新:2011-05-15
 398号が通行止めのため、北上川北岸で45号から197号に入る道を選ぶ。
 北上川沿いを走ると、川幅の広さ、水量の豊富さに圧倒され、場所によっては橋の上を走っているような錯覚にとらわれる。堤防内の水田は水面より低く、両岸に広がる水田と住宅・学校のほとんどが水面とほぼ同じレベルの低地にあることに気が付く。悲劇の大川小学校も例外ではない。地盤沈下で中州が冠水したことにより、新北上大橋付近が河口になっている。
 翁倉山山頂に到達するまでの登山道にはさまざまな障害があった。震度6強の地震があった3月11日以降ほとんど人が入ることがなかったと思われる。
 とにかく倒木が至る所にある。山の斜面の登山道は木の根を土台にして作ることが多いが、その土台が根こそぎ倒れているところが何箇所もあった。
 翁倉山山頂から北方向に志津川湾、南方向に北上川河口。

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 下山途中の標高230m付近で、登山道を倒木が塞いでいるところの前で、何かが地面を嗅ぎ回っていることに気が付く。5mぐらいまで近づいたときにその動物が顔を上げる。最初は大きな鼠に見えた。カピバラほどではないが、近所の野良猫ぐらいはあった。
 目と目が合ったときに、すくっと立ち上がって、それがリスであることがわかった。これだけ大型のリスを見たことがないので驚く。立ったときに大きな尻尾を持ち上げる姿勢でリスであることは間違いないが、もし野生のリスなら気配を感じた時点で逃げるはずである。しかし、この大きなリスはそのまま立って訝しげにこちらを見ている。
 これを何とか撮影しなければと思うのだが、状況としては最悪である。カメラはレンズ交換式デジタル一眼で背中のザックにしまってある。写真を撮るには、ザックを降ろす、カメラケースを開ける、カメラを取り出す、電源を入れる、キャップをはずす、という手順が必要で、慣れてはいるもののこれにどうしても5秒以上かかる。さらにこの後、構えてシャッターを押さなければならない。
 その結果が次の写真である。カメラを構えてすぐにシャッターを押しているのでピントは合っていない。拡大し、かろうじて横向きの頭部の耳と目、それから右手が写っていることを確認した。
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