請戸川渓谷
著者:梅谷 武
福島第一原発事故による放射性物質の拡散の地形による偏向が請戸川渓谷の谷風によるものではないかという仮説について述べる。
作成:2011-04-05
更新:2011-04-16
更新:2011-04-16
文部科学省が公開している福島原子力発電所周辺の放射線モニタリングデータを見ると浪江町と川俣町の境界にある高太石山(864m)の東側の国道399号線が走っている谷間付近と請戸川渓谷沿いの国道114号線の値が他の点に比べて極めて高いことがわかる。これが請戸川渓谷の谷風による可能性があるということを指摘するのがこの文書の目的である。
谷風はなだらかな勾配の渓谷で起こる現象である。奈良県高市郡明日香村では、万葉の時代から朝風と呼ばれる現象が記録されている。これは朝、日が昇って山腹が温められることにより、上昇気流が発生し、それが渓谷沿いに吹き上がっていくという現象である。これについて調査した記録を明日香風で公開している。
この谷風がどのような条件で発生するのかについての詳細は調べていないが、飛鳥川渓谷と請戸川渓谷には、緩やかな一定勾配の渓谷が続いていくという共通の特徴があり、請戸川渓谷にも谷風が発生する可能性があると考えられる。
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