1章 概要
著者:梅谷 武
語句:ToposNote, 3D地形図ビューアー, 3Dフィールドノート, 幾何実験ツール
語句:ToposNote, 3D地形図ビューアー, 3Dフィールドノート, 幾何実験ツール
ToposNote Ver.2の概要について述べる。
作成:2010-12-12
更新:2011-07-20
更新:2011-07-20
ToposNote Ver.2は、国土地理院が公開している電子国土基本図閲覧サービス「ウォッちず」と基盤地図情報数値標高モデルのダウンロードサービスを利用する3D地形図ビューアーとして機能します。電子国土基本図は直接リンクにより、数値標高データはダウンロード後、変換して使います。閲覧のみを目的とする場合、これらは無償で利用することができます。標高データとしては10mメッシュと50mメッシュを併用しており、細かい起伏まで表現することができます。
1/25000地形図を閲覧することを目的としているため、一度に見ることができるのは10km四方程度の局所的な領域であり、このため、大域的に地球規模の地形を見ることができるGoogle Earthと連携し、相互に補完し合いながら利用します。
Google Earthと連携させた場合、ToposNoteを起動すると同時にGoogle Earthが立ち上がり、Google Earth COM API経由で通信し、1/25000地形図、Google Earth、Google Mapsを連動させながら、さまざまな地理情報を統合する環境が構築されます。
(国土地理院発行1/25000地形図及び10mメッシュ, Google Earth使用)
ToposNoteはGPS及び電子コンパスと連動させることができます。これにより3D地形図によるナビゲーションを実現します。また、空間内にさまざまな種類のデータを貼り付ける機能により、3Dフィールドノートとして活用することができます。
(国土地理院発行1/25000地形図及び10mメッシュ使用。利用規約より一部隠蔽)
スクリプト言語Luaを拡張した3Dモデリング言語が内蔵されています。これにより気軽にコンピューターグラフィックスや幾何の実験を行なうことができます。
KML形式地理データを作成して、Google EarthやGoogle Maps上で見ることができます。次の3種類が作成できます。
- 放射線量分布データ(2D, Google Maps用)
- 放射線量分布データ(3D, Google Earth用)
- 写真ツアー(Google Earth用)
(国土地理院発行1/25000地形図及び10mメッシュ, Google Earth使用)
Ver.2は、Ver.1に対するさまざまなご意見を参考にして、全面的な改造を行なっています。特に登山やトレッキングをされる方が気軽に使えるように改良を加えています。
Ver.1とVer.2の主な違いをまとめます。
CGプラットフォーム | OpenGL → DirectX |
GUI | Windowsベース → DirectXベース |
地図画像 | CD-ROM → オンラインサービス |
環境設定 | 手動(config.ini) → 自動(config.iniを廃止) |
Ver.2の主な新機能をまとめます。
標高メッシュ | 10mメッシュを使ったプログレッシブメッシュ機構 |
場所移動 | CSV形式データにより指定場所に移動する機能 |
光源移動 | 光源の方位角・仰角を移動する機能 |
写真機能 | サムネイルデータベース導入による高速化 |
写真機能 | サムネイルのビルボード化 |
視点切替 | 俯瞰視点 ⇔ カーソル視点 |
Lua | Luaスクリプト実行と描画のマルチスレッド化 |
Lua | Lua出力ダイアログ機能 |
ファイル形式 | X形式/ZIP形式対応 |
OS | Windows XP/Vista/7 |
メモリ | 512MB以上 |
グラフィックス | 解像度640×480×256色以上, DirectX対応アクセラレータ |
OS | Windows7 |
メモリ | 3GB以上 |
ToposNoteの各機能を使うためのメニューです。
世界座標系とは、あらゆる物体の位置を記述するための基準となる右手系の正規直交座標系のことで、その原点付近を格子によって表します。
画面を写しているカメラの視参照点を原点とする右手系の正規直交座標系をカーソルと呼びます。この座標系は物体を定義するときの基準となるため物体座標系とも呼ばれます。常に世界座標系を平行移動した姿勢を保ち、世界座標系に対して回転することはありません。カーソルの原点付近を座標軸によって表します。
カーソルの位置を世界座標系の座標値で表します。
編集モードにおいて物体を選択した場合は、物体の位置を表します。
画面を写しているカメラの視方向を角度で表し、視野範囲を半径で表します。
編集モードにおいて物体を選択した場合は、物体の姿勢を表します。
毎秒何画面描画しているかを示します。標準的な値は60[fps]ですが、データ処理量やグラフィックス性能により変化します。
保存(Lua) | カーソル位置・カメラ姿勢とトポスオブジェクトを保存する。 |
保存(KML) | カーソル軌跡と写真からKML写真ツアーを作成・保存する。 |
閲覧/編集 | 閲覧モード/編集モードを切り替える。 |
切り取り | 選択された物体を切り取る。 |
コピー | 選択された物体をコピーする。 |
貼り付け | コピーされた物体を複写する。 |
削除 | 選択された物体を削除する。 |
全削除 | すべての物体を削除する。 |
終了 | プログラムを終了する。 |
平面表示/立体表示 | 平行投影/透視投影を切り替える。 |
幾何空間/地理空間 | 幾何空間表示/地理空間表示を切り替える。 |
カーソル | カーソル表示をON/OFFする。 |
幾何座標枠表示 | 幾何座標枠表示をON/OFFする。 |
文字表示 | 文字表示をON/OFFする。 |
地図表示 | 地図表示をON/OFFする。 |
地形表示 | 地形表示をON/OFFする。 |
面/線/点 | メッシュ表示法を切り替える。 |
石膏/陶器 | メッシュ材質を切り替える。 |
10mメッシュ | 10mメッシュをON/OFFする。 |
標高調節 | 地理空間表示において、カーソル高さを標高+2mに調節する。 |
ビルボード | 写真のビルボード表示をON/OFFする。 |
静止 | アニメーション動作を行なわない。 |
ステップ | ステップモードでアニメーション動作を行なう。 |
アニメーション | アニメーション動作を行なう。 |
倍速 | アニメーション再生の速度指定。 |
巻き戻し | アニメーション動作で初期値に戻す。 |
Lua | Luaスクリプト動作確認をON/OFFする。 |
コンパス | コンパス連動をON/OFFする。 |
方位角 | 光源の方位角指定。 |
仰角 | 光源の仰角指定。 |
原点復帰 | 原点に復帰する。 |
GPS | GPSモニタを起動する。 |
Google Earth | Google Earthと連携する。 |
場所1 | place1.csvの位置データをリスト表示する。 |
場所2 | place2.csvの位置データをリスト表示する。 |
場所3 | place3.csvの位置データをリスト表示する。 |
場所4 | place4.csvの位置データをリスト表示する。 |
場所5 | place5.csvの位置データをリスト表示する。 |
場所6 | place6.csvの位置データをリスト表示する。 |
マニュアル | オンラインマニュアルをブラウザで開く。 |
版数情報 | 版数情報を表示する。 |
ライセンス認証 | ライセンス認証を行なう。 |
Google Earthと連携しているとき、Google Earthのカメラパラメータを読み込む。
俯瞰視点とカーソル視点を切り替える。(3.1.3 立体表示における投影法参照)
全画面表示をON/OFFする。
Published by SANENSYA Co.,Ltd.