3章 目次・索引・参考文献
著者:梅谷 武
作成:2013-09-15
更新:2013-09-19

目次

 本文が完成した後、後処理で目次を作るには、事前に対象となるファイルリストを作成しておく。それを例えばfilelist.txtとする。
preface.ftx
001.ftx
002.ftx
003.ftx
これらのファイルを探索して、目次をtoc.xhtmlへ出力するには次のようにする。
>ktex -c filelist.txt toc.xhtml

索引

 索引に載せたい語句を次の構文
¥term[<ルビ>]{<語句>}{<読み>}{<解説>}
によりタグ付けしておくと、ルビを振ると同時に後処理で索引を作成することができる。ルビはオプションであり、索引は読みで整列される。
¥begin{quote}
mathematicsの語源はギリシア語の%
¥term{マテーマタ}{μάθηματα}{}にあります。%
マテーマタとは「学ぶ」という動詞%
¥term{マンタノー}{μανθάνω}{}から派生した%
「学ばれるべきもの」という意味の%
¥term{マテーマ}{μάθημα}{}の複数形です。
¥end{quote}
mathematicsの語源はギリシア語のマテーマタμάθηματαにあります。マテーマタとは「学ぶ」という動詞マンタノーμανθάνωから派生した「学ばれるべきもの」という意味のマテーマμάθημαの複数形です。
 第三引数に解説を書くことで索引を簡易的な辞典として利用することができる。
¥begin{quote}
論理学から見たパルメニデスの最大の功績は%
¥term{排中律}{はいちゅうりつ}
{ブラウワー(1881-1966)は排中律を認めない直観論理を提唱した。%
その意味で排中律を公理として認める論理は古典論理と呼ばれている。%
現代の多くの数学者は古典論理に基づいて数学を行なっている。}%
と呼ばれる重要な規則を発見したことにあります。
¥end{quote}
論理学から見たパルメニデスの最大の功績は排中律はいちゅうりつと呼ばれる重要な規則を発見したことにあります。
 後処理で索引を作るには、事前に対象となるファイルリストを作成しておく。 それを例えばfilelist.txtとする。
preface.ftx
001.ftx
002.ftx
003.ftx
これらのファイルを探索して、索引をindex.xhtmlへ出力するには次のようにする。
>ktex -i filelist.txt index.xhtml

参考文献

 参考文献は段落中に記述する。書籍のための¥book命令と論文のための¥article命令の2種類がある。

¥book

 書籍のメタデータを記述する。項目名と内容は':'で区切り、改行で終わる。項目はjBIBTeXの@bookカテゴリとほぼ対応しているが書式は異なる。下表で太字の項目名は必須項目を示している。URLを指定すると表題名からリンクする。idを指定するとそれを参照ラベルとするアンカーが埋め込まれ、指定しないときは自動的に文献番号が付けられ、"bib"+"文献番号"というアンカーが埋め込まれる。
 文献番号は一つのファイル内で共通であり、1から始まる連番である。
表1 ¥book命令項目一覧
項目名項目の定義
 author 著者名
 title 表題名
 publisher 発行元名
 year 刊行年 → YYYY
 volume 巻数
 number 号数
 series シリーズ名
 edition 版数
 month 刊行月 → MM
 note その他の情報
 ISBN ISBN
 URL URL
 image 画像URL
 id 参照ラベル

¥book{
author:岩澤健吉
title:代数函数論
publisher:岩波書店
year:1952
}
[1] 岩澤健吉, 代数函数論, 岩波書店, 1952

¥article

 論文のメタデータを記述する。項目名と内容は':'で区切り、改行で終わる。項目はjBIBTeXの@articleカテゴリとほぼ対応しているが書式は異なる。下表で太字の項目名は必須項目を示している。URLを指定すると表題名からリンクする。idを指定するとそれを参照ラベルとするアンカーが埋め込まれ、指定しないときは自動的に文献番号が付けられ、"bib"+"文献番号"というアンカーが埋め込まれる。
 文献番号は一つのファイル内で共通であり、1から始まる連番である。
表2 ¥article命令項目一覧
項目名項目の定義
 author 著者名
 title 表題名
 journal 雑誌名
 year 刊行年 → YYYY
 volume 巻数
 number 号数
 pages ページ番号
 month 刊行月 → MM
 URL URL
 id 参照ラベル

¥article{
author:K.Iwasawa
title:On some types of topological groups
journal:Ann. of Math.
year:1949
volume:50
pages:507-557
}
[2] K.Iwasawa, On some types of topological groups, Ann. of Math., vol.50, 507-557, 1949
語  句
マテーマタ μάθηματα
マンタノー μανθάνω
マテーマ μάθημα
排中律 はいちゅうりつ
ブラウワー(1881-1966)は排中律を認めない直観論理を提唱した。その意味で排中律を公理として認める論理は古典論理と呼ばれている。 現代の多くの数学者は古典論理に基づいて数学を行なっている。
 
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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